メディアや出版物を通じて世に伝えられている日露戦争の姿はあまりに一方的かつ一面的に過ぎると思います。
戦や歴史が、そんな薄っぺらな見方で把握できるものとはとても思えません。
以前もどこかで書きましたが、つくり手側はこういう歴史ドラマを、ひとつの商品として今の時代に売れやすいようにつくるものです。これは無理ありません。
しかし問題は、受け手側が、見たものを「歴史を舞台にしたフィクションだな。結構楽しめたよ」でなく「歴史の事実」として大真面目に受け入れてしまっていることです。
残念ならこのギャップを埋めるには、見る側がギャップに気づくことしか方法はありません。
本著(というよりは著者の日露戦争3部作と言ったほうがいいかもしれません)は、日露戦役、ひいてはわが現代史を多面的に見るクセをつけてくれる貴重な出版物です。
要するに、日露戦争ひいてはわが現代史を、『坂の上の雲』だけで把握せざるをえない現状に物足りない方、疑問を持つ方すべての思いに応える「別宮版 日露戦3部作」が、ついに今、私たちの前に提示されたということです。
言論の自由がもたらした果実を、真の意味で体験・理解したい方は、ぜひ本著を手にとってください。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥1,760¥1,760 税込
ポイント: 18pt
(1%)
無料お届け日:
3月21日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥1,760¥1,760 税込
ポイント: 18pt
(1%)
無料お届け日:
3月21日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥350
中古品:
¥350

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦 単行本 – 2009/10/8
別宮 暖朗
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,760","priceAmount":1760.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,760","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"SLtBCzRBplMHbkl1ysvSbNgf4rL7cOarbuNSxcT4jaCrMS9opEOefV5%2F6fd5pwoIjP6pp51t28q9YgZNLTYL%2BDwp0ABO205%2FPyFr%2FujNjS2eLBb%2FVTEKJKWl7475VhCF","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥350","priceAmount":350.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"350","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"SLtBCzRBplMHbkl1ysvSbNgf4rL7cOarVnGCcSKVODt5BeJe94aoHSAhj132wWkH30H6JcHwZcofoo56T3M7o%2FeZ4p6LLABcYfaaq6yIuZ%2BpPaQjdX44iCsvxoIBeV34Thvsey4v0Rfs4LrRDY5J2QLUVWd01669TeiJj3sNVuGpUWRXPsFZyA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
日本軍大勝利で終わった日露戦争。その勝因はさまざまにいわれてきた。司馬遼太郎は『坂の上の雲』で、日本軍は兵力において劣ったが、作戦計画能力で上回ったためと書いたが、それは全く事実に反する。開戦時、陸軍には事前の作戦計画と呼べるものはなく、陸戦の開始は開戦から80日も遅れた。ではどうして陸軍は勝つことができたのか? それは、参謀本部の独りよがりの作戦計画を、現場の実情にあわせて修正し、自ら戦機をつかんで勝利に導いた各級の指揮官と献身的な兵士がいたからだ。日露開戦の経緯から終戦交渉に至るまで、新たな視点から日露陸戦勝利の実相を描く!
- 本の長さ226ページ
- 言語日本語
- 出版社並木書房
- 発売日2009/10/8
- ISBN-104890632492
- ISBN-13978-4890632497
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
別宮 暖朗(べつみや・だんろう) 1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家。ホームページ『第一次大戦』を主宰するほか『ゲーム・ジャーナル』(シミュレーション・ジャーナル社)に執筆。著書に『中国、この困った隣人』(PHP研究所)、『東京裁判の謎を解く(共著)』(光人社)、『戦争の正しい始め方、終わり方(共著)』『「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦』『「坂の上の雲」では分からない日本海海戦』『軍事のイロハ』『韓国の妄言』『失敗の中国近代史』『太平洋戦争はなぜ負けたか』(いずれも並木書房)、『誰が太平洋戦争を始めたのか』(ちくま文庫)がある。
登録情報
- 出版社 : 並木書房 (2009/10/8)
- 発売日 : 2009/10/8
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 226ページ
- ISBN-10 : 4890632492
- ISBN-13 : 978-4890632497
- Amazon 売れ筋ランキング: - 860,199位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は旅順攻囲戦を除く主要な戦闘を解説した本です。
ステレオタイプな優れた満州軍総司令部と愚かな現場司令官(特に乃木希典)という構図を真っ向否定しています。
こういう指摘は斬新で説得力があるのですが、総司令部や参謀本部などの軍官僚への容赦無い批判には説得力を感じませんでした。
また、地名が頻繁に出てくるのですが、地図が非常に少なく話しの流れについていけませんでした。
同じ著者の旅順攻囲戦の本は細部まで丁寧に解説してあるので期待したのですが、やや残念な本と思いました。
ステレオタイプな優れた満州軍総司令部と愚かな現場司令官(特に乃木希典)という構図を真っ向否定しています。
こういう指摘は斬新で説得力があるのですが、総司令部や参謀本部などの軍官僚への容赦無い批判には説得力を感じませんでした。
また、地名が頻繁に出てくるのですが、地図が非常に少なく話しの流れについていけませんでした。
同じ著者の旅順攻囲戦の本は細部まで丁寧に解説してあるので期待したのですが、やや残念な本と思いました。
2010年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
司馬遼太郎『坂の上の雲』は、小説(エンターテイメント)であって、研究書ではありません。しかし、名作ゆえに、ややもすれば、書かれていることがそのまま史実であり、司馬さんの評価が正当であるかのように受け取られてしまいます。
別宮さんのこの本は、「「坂の上の雲」では分からない」というタイトルでもわかるように、司馬さんの誤認、誤解を指摘しつつ、新たな日露戦争像を提示します。
この本で得られる新たな知見は多岐にわたりますが、重要な点は、
・参謀本部や満洲総司令部の立てた作戦は、個々の戦場ではほとんど役に立たなかった。
・それにもかかわらず、日露戦争陸戦で勝てたのは、前線の司令官が臨機応変に作戦を変更、修正し、場合によっては独断専行し、兵隊たちが勇敢に戦ったからであった。
・児玉源太郎は、政治家ではあっても、作戦家(名参謀)ではなかった。
最後に心に沁みる文を紹介します。
乃木希典は奇を衒わず、ただ兵士の生命を損なわず、戦勝へと導こうとした。困難や矛盾から逃げない、現代日本のどこにでもいそうな、実直な融通のきかない老人であった。乃木だけでなく、日露戦争に参加した日本人は現代の日本人と同じような人々であり、皆、英雄であった。
日本軍兵士は、世界のどの列強の軍隊と比較しても長距離の行軍に耐え、いかなる粗食にも甘んじ、数倍する敵に直面しても後ろを見せなかった。(226頁)
別宮さんのこの本は、「「坂の上の雲」では分からない」というタイトルでもわかるように、司馬さんの誤認、誤解を指摘しつつ、新たな日露戦争像を提示します。
この本で得られる新たな知見は多岐にわたりますが、重要な点は、
・参謀本部や満洲総司令部の立てた作戦は、個々の戦場ではほとんど役に立たなかった。
・それにもかかわらず、日露戦争陸戦で勝てたのは、前線の司令官が臨機応変に作戦を変更、修正し、場合によっては独断専行し、兵隊たちが勇敢に戦ったからであった。
・児玉源太郎は、政治家ではあっても、作戦家(名参謀)ではなかった。
最後に心に沁みる文を紹介します。
乃木希典は奇を衒わず、ただ兵士の生命を損なわず、戦勝へと導こうとした。困難や矛盾から逃げない、現代日本のどこにでもいそうな、実直な融通のきかない老人であった。乃木だけでなく、日露戦争に参加した日本人は現代の日本人と同じような人々であり、皆、英雄であった。
日本軍兵士は、世界のどの列強の軍隊と比較しても長距離の行軍に耐え、いかなる粗食にも甘んじ、数倍する敵に直面しても後ろを見せなかった。(226頁)
2009年10月8日に日本でレビュー済み
「『坂之上の雲』では分からない」と冠した同じ著者による日露戦争に関する本としては「旅順攻防戦」「日本海海戦」に続いて3冊目、今回はまた陸戦に関する本ですが、旅順以外の開戦以後、奉天までの戦いを取り上げます。そして、今回はそれに合わせて日露戦争の開戦経緯が前半詳しく描かれています。たぶん、この部分、類書でここまで要領よく描かれた本は初めてでしょう。
そして、開戦後の各作戦が開戦前の陸軍の戦争準備の実態とともに描かれていきます。そこに見えるのは大本営、そして満州軍司令部参謀達の実情を無視した作戦とそれを自らの血と汗でフォローして勝利へと導いた前線の将兵たちの努力でした。
副題の「児玉源太郎は名参謀ではなかった」はいたずらに彼の名を貶めているわけではありません。満州軍参謀長としての彼は神のごとき名作戦を主導するという「坂之上の雲」をはじめとする多くの書で描かれるような人物ではなく、むしろエリート参謀や各司令官達の調整役に徹した政治家向きの軍人だったと著者は述べているのです。この部分だけでもしかし、十分に斬新な見方と思います。
丁度今年はNHKでドラマ「坂の上の雲」が放映されます。しかしこの本は司馬作品を読まれた方にとっては知的な挑戦になるはずです。一方は小説ですが、しかしその影響は我々には大きいものがありました。一種教科書的ともいえる固定観念に対する、事実と精緻な論証の挑戦。あらためてもう一度100年前の人々の肉声に声を傾けてみようかというきっかけになる良書と思います。
そして、開戦後の各作戦が開戦前の陸軍の戦争準備の実態とともに描かれていきます。そこに見えるのは大本営、そして満州軍司令部参謀達の実情を無視した作戦とそれを自らの血と汗でフォローして勝利へと導いた前線の将兵たちの努力でした。
副題の「児玉源太郎は名参謀ではなかった」はいたずらに彼の名を貶めているわけではありません。満州軍参謀長としての彼は神のごとき名作戦を主導するという「坂之上の雲」をはじめとする多くの書で描かれるような人物ではなく、むしろエリート参謀や各司令官達の調整役に徹した政治家向きの軍人だったと著者は述べているのです。この部分だけでもしかし、十分に斬新な見方と思います。
丁度今年はNHKでドラマ「坂の上の雲」が放映されます。しかしこの本は司馬作品を読まれた方にとっては知的な挑戦になるはずです。一方は小説ですが、しかしその影響は我々には大きいものがありました。一種教科書的ともいえる固定観念に対する、事実と精緻な論証の挑戦。あらためてもう一度100年前の人々の肉声に声を傾けてみようかというきっかけになる良書と思います。
2010年2月23日に日本でレビュー済み
少なくとも、日露戦争を当時の文脈、すなわち第一次世界大戦等を例にとって論じているのが、これまでの作品同様に斬新であったと思う。司馬遼太郎のように戦国の合戦や源平の合戦を例に説明するよりははるかに至当だと思う。しかし著者の個々の論点はともかくその結論には少し了とできないところもある。他のレビューの著者も述べられたように著者の評価した各軍の指揮官や参謀も当時のエリート教育を受けているのである。というより参謀制度とは参謀本部だけで成り立つのではなく、その意を通じた各級の参謀がいなければ意味がないのである。だから仮りに別宮氏の述べるように松川・井口両大将に過失があったとしてもそれをもって官僚制度の致命的欠陥というのはいいすぎではないか。さらに氏は英米を条約を遵守し民主主義を標榜すると言う点においてほぼ無条件に礼賛しているが、これも誤りではないか。自分達が作りあげた国連の意思を無視してイラク戦争を開始したのはどの国であろうか。氏の軍事的知識には敬意を評するが、これでは小泉政権時代に流行った米英流の自己責任を第一とし、官から民へと主張していた連中と変わらないと考える。これではカンネーを自らの作戦の正当性を強調するために利用したシュリーフェン元帥と変わらず、まず主張ありきの歴史とは言えないだろうか。
2009年10月9日に日本でレビュー済み
同じ著者による『旅順攻防戦』を以前に読んで面白かったので、期待して読みました。この著者の本にはいつも明確なテーマがあり、今回は満州軍総司令部のエリート作戦参謀(高級官僚)たちがいかに無能であったかを徹底的に批判しています。
本書を読んで、いちばん印象に残ったのは、日露戦争が海軍主導の戦いであったという点です。しかも陸軍には事前の作戦計画がなく、戦争の準備もしていなかったというのには驚きました。
日露戦争にかぎらず、その後の支那事変でも太平洋戦争でも、海軍が制海権を確保して、陸軍徴用船を上陸地まで掩護してくれなければ、陸軍は敵と向き合うことができなかった。つまり日本陸軍は現場で作戦を立てるしかできない軍隊だと言うのです。大陸国家の陸軍とは大違い。まさに島国の宿命です。日本の近代戦争は海軍が主導権を持っていたという指摘には、目を開かされる思いがしました。
本書を読んで、いちばん印象に残ったのは、日露戦争が海軍主導の戦いであったという点です。しかも陸軍には事前の作戦計画がなく、戦争の準備もしていなかったというのには驚きました。
日露戦争にかぎらず、その後の支那事変でも太平洋戦争でも、海軍が制海権を確保して、陸軍徴用船を上陸地まで掩護してくれなければ、陸軍は敵と向き合うことができなかった。つまり日本陸軍は現場で作戦を立てるしかできない軍隊だと言うのです。大陸国家の陸軍とは大違い。まさに島国の宿命です。日本の近代戦争は海軍が主導権を持っていたという指摘には、目を開かされる思いがしました。
2010年8月11日に日本でレビュー済み
日本人にまつわるジョークとして
「世界最強の軍隊とは?」
―アメリカ人の将軍
―ドイツ人の参謀
―日本人の兵
「では世界最弱の軍隊とは?」
―中国人の将軍
―日本人の参謀
―イタリア人の兵
と言うのがあるらしいが、それが真実かもしれないと思わせる内容である。『坂の上の雲』だけを読んで児玉源太郎を高く評価している人には、特に一読をお勧めする。
「世界最強の軍隊とは?」
―アメリカ人の将軍
―ドイツ人の参謀
―日本人の兵
「では世界最弱の軍隊とは?」
―中国人の将軍
―日本人の参謀
―イタリア人の兵
と言うのがあるらしいが、それが真実かもしれないと思わせる内容である。『坂の上の雲』だけを読んで児玉源太郎を高く評価している人には、特に一読をお勧めする。