前2作が秀逸であっただけに、この第3弾の質の低さには失望した。デフレが現在の経済不振の元凶とした上で、不良債権処理などを通じて未曾有の失業者があふれることから、いたずらにそのような処理を進めるのは犯罪的といわんばかりの論調である。
だが、既得権益に固執して世界の流れに完全に取り残されたや政治・経済エリート、また彼らがいかに自分たちのサークルの外の人間を収奪してきたかについての考察が欠落している。こちらの方も同様に犯罪的だと思うが。
また、筆者は人間の「アニマルスピリット」を全く信じていないのか、あるいはそれに対する思考が欠落しているのか?職を失った人間はもう二度と復活できないと考えているのだろうか。日本の雇用慣習はまだ柔軟性に欠けることを差し引いても、敗者復活の可能性を考慮に入れず、グローバル化の負の影響を論じても空虚である。
経済を論じるなら、もう少し広く勉強してからにしたほうが良いね。

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なぜ日本人はかくも幼稚になったのか 3 (ハルキ文庫 ふ 1-4) 文庫 – 2000/3/1
福田 和也
(著)
壊滅
- 本の長さ198ページ
- 言語日本語
- 出版社角川春樹事務所
- 発売日2000/3/1
- ISBN-104894566664
- ISBN-13978-4894566668
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登録情報
- 出版社 : 角川春樹事務所 (2000/3/1)
- 発売日 : 2000/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 198ページ
- ISBN-10 : 4894566664
- ISBN-13 : 978-4894566668
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,547,204位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,973位ハルキ文庫
- - 123,731位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。1993年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、2002年『地ひらく』で山本七平賞受賞。著書に『日本の近代(上・下)』『昭和天皇』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年2月28日に日本でレビュー済み
著者は、本の中でデフレの克服は、過去には戦争or大災害しかないと
指摘していますが、過去にはなかったが、可能性がある方法も1つ提示
しています。それは「人生観の転換」です。
現在の人生観を「より快適に、より豊かに、より楽に」とすると
これからの人生観を「自己の美意識や国土の美観」にして
古来より日本人が大切にしてきた倫理観・美的潔癖・精神の高潔・日本
という国土を復縁させようと訴えています。
現在のデフレ対策として政府は、
さらなる「自由化」「効率化」を掲げていますが、
著者は、可能性があるのは、その道とはまったく別の道だと指摘しています。
それは、戦後において
「美」や「恥」といった感覚を軽視し、「利益」や「利便」のみを重視する
心性の克服との戦いでもあると指摘しています。
「効率」に対抗できるものとして
「意味」「目的」を挙げています。
もっと日本語らしくすれば「かい」ということになるでしょう。
こうした「かい」を求めること、つまり人生観の転換を図らなければ、
日本経済の苦境から脱出はできなく、この本の題にあるように
「壊滅」への道を歩むことになると書いています。
問題を指摘するだけではなく、それにたいして分析し、代替案をだしている
点が評価できますし、その代替案自体もいままでなかったものであると感じ
ているので経済の勉強と人生観の勉強のために読むことをお勧めします。
指摘していますが、過去にはなかったが、可能性がある方法も1つ提示
しています。それは「人生観の転換」です。
現在の人生観を「より快適に、より豊かに、より楽に」とすると
これからの人生観を「自己の美意識や国土の美観」にして
古来より日本人が大切にしてきた倫理観・美的潔癖・精神の高潔・日本
という国土を復縁させようと訴えています。
現在のデフレ対策として政府は、
さらなる「自由化」「効率化」を掲げていますが、
著者は、可能性があるのは、その道とはまったく別の道だと指摘しています。
それは、戦後において
「美」や「恥」といった感覚を軽視し、「利益」や「利便」のみを重視する
心性の克服との戦いでもあると指摘しています。
「効率」に対抗できるものとして
「意味」「目的」を挙げています。
もっと日本語らしくすれば「かい」ということになるでしょう。
こうした「かい」を求めること、つまり人生観の転換を図らなければ、
日本経済の苦境から脱出はできなく、この本の題にあるように
「壊滅」への道を歩むことになると書いています。
問題を指摘するだけではなく、それにたいして分析し、代替案をだしている
点が評価できますし、その代替案自体もいままでなかったものであると感じ
ているので経済の勉強と人生観の勉強のために読むことをお勧めします。