表紙の帯に「前作をさらにスケールアップして…」と書いてありますがまさにその通りでした。
群馬県人にとっては痛快な本であり、群馬県人以外の人にとっても本当の群馬の魅力を感じてもらえる本です。
草津、伊香保、水上をはじめ数多くの温泉があり、食材に恵まれた食文化があり、世界に誇れる富弘美術館や個性あふれる大川美術館などがあり、地方都市の交響楽団の草分け的存在の群馬交響楽団がある群馬県は恐竜時代や旧石器の岩宿時代から続く歴史的文化的にも豊かで落ち着いた地域であることを再認識させられます。
そんな魅力的な群馬県の知名度が全国都道府県で最下位を争っているのは、「遠慮、謙遜、奥ゆかしさ、自慢下手といった日本人が昔から大切にしてきた『美徳』を群馬県人が特に強く持っているから…」と著者の木部克彦さんは説明しています。
上州高崎藩士の息子として生まれた内村鑑三が「上州人」という漢詩を残していることをこの本で初めて知りました。
上州無智亦無才
剛毅朴訥易被欺
唯以正直接萬人
至誠依神期勝利
「上州人は無智無才で、剛毅朴訥なため、だまされやすい。ただ正直をもって万人に接し、至誠によって神に勝利を期する」
内村鑑三の時代から群馬県人は剛毅朴訥で、謙虚で、真っ正直に人と接し、神様に誠を尽してきたのですね。
この本の魅力は、書かれている内容も勿論ですが、著者の木部克彦さんの優しさや温かさといった人間的な魅力が文章に込められていることだと思いました。「私は」とか、「筆者は」ではなく、「僕は…」という書き方や、ユーモラスにちりばめられている上州弁が読者の心を優しく捉えてくれています。
「続・群馬の逆襲」を読んで、「続々・群馬の逆襲」が発刊されることを期待しています。
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