著者が新右翼の組織に属した2007年1月、在特会が結成された。当時既に著書はネット右翼が人種差別的なことを書き込むのに気づき、不愉快だったが、「便所の落書き」みたいなもの、現代の日本でそんなあからさまな差別をする人間が増加するわけがないと楽観視していたという。ところが、事態は悪化していく。著者は、歌舞伎町のホストを経て、新右翼団体の「素晴らしい先輩たち」から「多くを学んだ」が「学べば学ぶほど直接行動をしなければ」と焦り、防衛省の正門から火炎瓶を投げ込み、短刀をもって敷地内に乱入し、「あっけなく」逮捕され、4ヶ月後に東京拘置所を出たという経験を持つ(この事件も、2007年)。釈放後、仲間だった奴が1人、2人と抜けて、在特会とともに活動を始めていたことに気づく。日の丸を持って外国人を罵倒する奴ら、「日の丸をそんなふうに使う奴」が許せない。「真の愛国者」ではない。しかし、著者は、何をしていいかわからなかった、と後悔も随所で口にする。著者の文字通り「体当たり」の反差別運動に圧倒されるが、それでもなお、本著は、「やってきた」ことだけでなく、「やらなかった」ことの記録でもあるという。
様々な酷い差別事件の記述に、胸が重くなる。2009年、名古屋での在日コリアン青年逮捕事件。警察官たちは、差別、嘲笑を放置し、それに抗議し必死に訴えるコリアン青年にむしろ「落ち着け」と言い放ち、取り押さえ連行までした。その映像が「粗暴な朝鮮人」という説明付きで拡散される。そのほか、2007年の中学生だったフィリピン人の少女への罵倒、2009年の京都朝鮮第一初級学校の子どもたちが授業を受けている時間帯での拡声器を使った大音量での「抗議街宣」。執行猶予中で何もできない著者の感じた怒り、読者である私も共有する。
もっとも、ひたすら本を読んで「ヘイトスピーチ、許さない」と憤っているだけの私には、これだけの「現場」感覚は持てるはずもない。著者は、在特会の幹部とも飲み、その「デモ」にも誘われる一方、カウンター側にも参加を誘われもした。どちらの側にも、「正統派右翼」からの流れがあり、仲間がいるのだ。「仲間」が実際にいると、「どう接していいかわからない」「明確な態度を取れない」ことになりがちだというのも、よくわかる。どんな人間関係でも同調圧力があり、仲間に対して明確に反対していくのは、難しいものだろう。しかし、著者が素晴らしいのは、直接の知り合いたちに明確に反対を伝えることにしたことだ。2010年1月、著者は、両者に誘われて参加を見送った街宣の終盤で起きた新宿スプレー事件等を機に、カウンター側へと傾斜していく。この事件は、ヘイトデモに抗議した高校生にデモ隊が罵詈雑言を吐き、激しいつかみ合いになった挙句、高校生が護身用に持っていた催涙スプレーで反撃したところ、傷害容疑で逮捕されたというもの。死ね殺せと叫んでいたレイシストにはおとがめなし。高校生は釈放されたが、レイシストが高校を晒し、学校にまで押しかけるなどして、退学処分になってしまった。著者は、かつての友人に「高校生の人生を狂わせて何が愛国活動だよ」と責めたが、自分が現場にいなかったことを恥じ、カウンターの現場に出て行く。
カウンターの実践活動をする右翼は、著者だけではない。右翼陣営からのカウンターに、在特会も驚いたらしい。在特会会員でミリタリーオタクの差別主義者主催のイベントなど私自身は決して足を踏み入れたくないが、「理論理屈じゃなく、実力行使で在特会を黙らせる、ありとあらゆるところから活動資金を引っ張ってくる、やられたらやり返すを行動の基本とする」、右翼団体ナショナルフロントの面々と著者は乗り込んでいき、「何とか言えこら」「二度とふざけたことするな」等と追い詰める。2010年の既存右翼と在特会などと確執をテーマにしたイベント(「右翼VSウヨク」)の記録も手に汗を握る。いきなりパソコンを開き、ニコニコ放送などで「右翼怖―い」と著者らを誹謗中傷するレイシストたちのありさまも、本著を読まなければ知らなかった。鈴木邦夫さんら、右翼に対して、「左翼を叩き出せ!帰れ!」とののしる意味不明さ。なんと不毛な見世物。案の定、イベントの動画がネットでアップされたが、関係各所に乗り込み、抗議する著者のバイタリティに感嘆する。
政治的信条を超えて、熱い。熱い男同士、共鳴し合う(全体として、マッチョな空気感がある)。2010年12月、渋谷でのレイシストのデモに在日コリアンのイケメン青年が立ちふさがる。非暴力の抗議だったが、偶然デモの一人を投げるような形になってしまった。青年はレイシストたちに袋叩きにされたが、青年だけが2泊3日留置されてしまう。「単身突撃」という姿に、著者らアンチ在特会の既存右翼の人間は痺れる。政治的信条は全く相容れないが、だからこそ、「俺の心に火をつけた」と著者は書く。このあたりに「男気」を感じる。
レイシストたちの矛先が、被差別部落出身者や生活保護受給者、脱原発運動にも向けられていく過程も記録される。その時期に脱原発ハンガーストライキをしていたり、新たな組織を立ち上げたりして何かと忙しかったために、レイシストの運動に明確にNOを突き付けなかったことへの悔恨とともに。かつての仲間だろうと、「愛国」とは何ら関係のない差別行動を阻止することこそ、真の友情だと自分に言い聞かせる。真の愛国者だからこそ、民族差別を許さなかった右翼の先輩たちへの尊敬が吐露される。本著は、一人の少年が成長していく過程を追うビルドゥングスロマンという趣すらある。
デモ隊とつばをかけ合うことすらある。ガンガン中指を突き立ててレイシストたちを口汚くののしる。取っ組み合いもする。「山口は死ね!」と個人攻撃されれば、「お前が死ね!」と言い返す。多くの人々にとって、子どもの口喧嘩と思われるかもしれないが、それでいい、デモ隊の意識が俺たちに向けば向くほど、差別的なシュプレヒコールを1回でも減らせる、在日コリアンがターゲットにされないで済む、意味不明なデモがさらに意味不明になる、というくだりなどには、「どっちもどっち」ときれいごとを安易に口にしてはいけないと涙する(著者は、「俺こそが、究極のどっちもどっちだ!」と意気軒高)。
エピローグの2013年6月の大久保公園の描写には涙を止められない。1000人のカウンターの人間の壁が、機動隊に押されて(!)崩される。機動隊に守られた(!)100人ほどの在特会のデモ隊の日の丸が、著者には「泣いているように見えた」。
本著を読んだ後も、私には、中指をたてることも、唾をかけあうこともしない。やはり限られた法的手段を考えるしか能がない。でも、大いに励まされたし、エールを送りたい(カウンター本にありがちなことだが、例によってamazonの評は「熱心」な酷評が増殖しているが、その数はこの本のパワーの指標ととらえるべきだろう)。
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奴らを通すな! 単行本(ソフトカバー) – 2013/1/1
山口 祐二郎
(著)
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購入オプションとあわせ買い
「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」といった言葉が飛び交うレイシストたちのデモに敢然と立ちはだかった「カウンター」グループには、思想的には左翼やリベラル層だけでなく右翼も含んでいた。 その一人、山口祐二郎が「かつての仲間」への憤りとともに、レイシズム行動を見て見ぬふりをしてきた自分への怒りを真摯に書きあげた。 2013年の日本で、何があったかを伝える一冊だ。
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社ころから
- 発売日2013/1/1
- 寸法18.2 x 12.8 x 1.6 cm
- ISBN-104907239041
- ISBN-13978-4907239046
商品の説明
著者について
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件を起こし、2012年に脱 退。現在は、作家・活 動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)がある。
登録情報
- 出版社 : ころから (2013/1/1)
- 発売日 : 2013/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 160ページ
- ISBN-10 : 4907239041
- ISBN-13 : 978-4907239046
- 寸法 : 18.2 x 12.8 x 1.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,356,293位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 129,247位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年になって新大久保や鶴橋で顕在化した、反韓デモにしても、それへの抗議活動にしても、
それまでの市民運動のパターンから大きく外れていたために、多くの人にとって、
何が進行しているのかが分かり辛い状況にありました。
反韓デモの側は「行動する保守」を自称し、日の丸の旗を掲げて、大音量で民族差別を煽る、
いわゆるヘイトスピーチを行っていますが、従来の街宣右翼とは明らかに違う人々が参加しており、
中にはベビーカーを押している女性までいます。
こうした「普通の市民」が聞くに堪えない罵詈雑言を韓国人や在日の人々に投げつけるという
一種異様な事態を解説した本は安田浩一『ネットと愛国』を始めとして、
何冊も出ているので、ある程度の理解を進めることはできます。
ただ、これに対抗するべく集まっている「カウンター」と呼ばれる人々も
全体としての像が描きにくい状態にあります。一昔前までなら、こういった
活動は「人権擁護」という題目で左翼が担当していましたし、
今も左翼系の人々はカウンターに参加しているようではあるのですが、
左手中指を突き立ててデモ隊を罵る「レイシストをしばき隊」であるだとか、
刺青を見せつけてデモ隊を恫喝している「男組」などの存在が目立ちます。
明らかに旧来の「人権擁護を叫ぶ人々」から外れているように見える彼らはいったい何者なのか?
しばき隊(現在は解散)については、ネットでの言論を追っていけば、ある程度の概略を掴むことはできます。
暴力的な装いでヘイトスピーチのデモ隊を挑発し、敢えてデモ隊の標的になって、デモ隊に罵り返させること。
そうやって、在日やニューカマーの韓国人に向けたヘイトスピーチを、自分たちへの罵倒に切り替えさせ、
その一方で、別の人間たちに「プラカード隊」や「ダンマク隊」を組織してもらって街とデモ隊を隔離するという戦術。
しばき隊が分かりにくかったのは、実は非暴力直接行動という原則を貫きながら、
装いは暴力的という矛盾しているようにも見える戦略をとったことにありますが、
こうした話は今まであまり印刷メディアには出てこなかったように思えます。
著書の山口祐二は、ホスト上がりの右翼という出自で、しばき隊に参加し、現在は男組関東若頭という
ポジションにある当事者です。右翼の活動家が、どういう経緯でしばき隊にたどり着き、男組の人々と
出会ったのかを実名を上げながら赤裸々に語るのが本書のポイント。
彼の「右翼の同期生」の中には、在特会に入ってヘイトスピーチをやっている側に回っているのが居る
という話などは、大変に興味深い。
カウンターに集う人々のひとつの側面を知る上で大変参考になりました。
ただ、著者の持ち味とはいえ、熱くなりすぎるところで評価を一ポイント下げさせていただきました。
もちろん、カウンターには集まっているのは多種多様な人々。
例えば、最初にカウンターを始めたのは韓流ファンの女性たちだったという話もあります。
総体を描く書籍が今後現れることを期待します。
それまでの市民運動のパターンから大きく外れていたために、多くの人にとって、
何が進行しているのかが分かり辛い状況にありました。
反韓デモの側は「行動する保守」を自称し、日の丸の旗を掲げて、大音量で民族差別を煽る、
いわゆるヘイトスピーチを行っていますが、従来の街宣右翼とは明らかに違う人々が参加しており、
中にはベビーカーを押している女性までいます。
こうした「普通の市民」が聞くに堪えない罵詈雑言を韓国人や在日の人々に投げつけるという
一種異様な事態を解説した本は安田浩一『ネットと愛国』を始めとして、
何冊も出ているので、ある程度の理解を進めることはできます。
ただ、これに対抗するべく集まっている「カウンター」と呼ばれる人々も
全体としての像が描きにくい状態にあります。一昔前までなら、こういった
活動は「人権擁護」という題目で左翼が担当していましたし、
今も左翼系の人々はカウンターに参加しているようではあるのですが、
左手中指を突き立ててデモ隊を罵る「レイシストをしばき隊」であるだとか、
刺青を見せつけてデモ隊を恫喝している「男組」などの存在が目立ちます。
明らかに旧来の「人権擁護を叫ぶ人々」から外れているように見える彼らはいったい何者なのか?
しばき隊(現在は解散)については、ネットでの言論を追っていけば、ある程度の概略を掴むことはできます。
暴力的な装いでヘイトスピーチのデモ隊を挑発し、敢えてデモ隊の標的になって、デモ隊に罵り返させること。
そうやって、在日やニューカマーの韓国人に向けたヘイトスピーチを、自分たちへの罵倒に切り替えさせ、
その一方で、別の人間たちに「プラカード隊」や「ダンマク隊」を組織してもらって街とデモ隊を隔離するという戦術。
しばき隊が分かりにくかったのは、実は非暴力直接行動という原則を貫きながら、
装いは暴力的という矛盾しているようにも見える戦略をとったことにありますが、
こうした話は今まであまり印刷メディアには出てこなかったように思えます。
著書の山口祐二は、ホスト上がりの右翼という出自で、しばき隊に参加し、現在は男組関東若頭という
ポジションにある当事者です。右翼の活動家が、どういう経緯でしばき隊にたどり着き、男組の人々と
出会ったのかを実名を上げながら赤裸々に語るのが本書のポイント。
彼の「右翼の同期生」の中には、在特会に入ってヘイトスピーチをやっている側に回っているのが居る
という話などは、大変に興味深い。
カウンターに集う人々のひとつの側面を知る上で大変参考になりました。
ただ、著者の持ち味とはいえ、熱くなりすぎるところで評価を一ポイント下げさせていただきました。
もちろん、カウンターには集まっているのは多種多様な人々。
例えば、最初にカウンターを始めたのは韓流ファンの女性たちだったという話もあります。
総体を描く書籍が今後現れることを期待します。
2013年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山口氏の「ハイ・リスク ノー・リターン」以来の著作は、著書がいま最も精力的に活動している、反レイシズム運動奮闘記。流石は「ハイ・リスク ノー・リターン」な方、かなり無茶な、直球な活動遍歴がズラりと並んでる。それだけで、まず面白い。
しかし、何より面白いな、と思うのは、「ハイ・リスク ノー・リターン」もそうだったけども、「俺はカッコいい」が口癖の著書は、決して綺麗事なカッコよさ、取り繕ったカッコよさを見せないこと。在特界隈に流れていく右翼の仲間を前にした時のこと、レイシズムが許せないはずなのに見過ごしてきたこと、そんな「カッコ悪い」過去もしっかりと記してる。そんな正直さ、真っ直ぐさが、著書のカッコよさの根幹なんだろうな、と思う。
文章も平易で読みやすいし、「ヘイトスピーチ」という言葉が一般的にも認知されつつある今、「現場」で何が起こっているのか、これほど分かりやすく、かつ面白く読めるものもないかと思います。著書の行動力、人間臭さ、カッコよさに改めて脱帽。
しかし、何より面白いな、と思うのは、「ハイ・リスク ノー・リターン」もそうだったけども、「俺はカッコいい」が口癖の著書は、決して綺麗事なカッコよさ、取り繕ったカッコよさを見せないこと。在特界隈に流れていく右翼の仲間を前にした時のこと、レイシズムが許せないはずなのに見過ごしてきたこと、そんな「カッコ悪い」過去もしっかりと記してる。そんな正直さ、真っ直ぐさが、著書のカッコよさの根幹なんだろうな、と思う。
文章も平易で読みやすいし、「ヘイトスピーチ」という言葉が一般的にも認知されつつある今、「現場」で何が起こっているのか、これほど分かりやすく、かつ面白く読めるものもないかと思います。著書の行動力、人間臭さ、カッコよさに改めて脱帽。
2013年11月10日に日本でレビュー済み
街宣車を乗り回し、大音量で軍歌を流す。
そしてやる事は企業ゴロ
一方的にいい加減な雑誌を送りつけて高額で買わせたり
企業を叩いて、金を受け取ったり
こうした既存の街宣右翼たちへの幻滅が、新しい右翼勢力を生み出すのは当然の事だ。
既存の右翼集団は、お株を取られるとばかりに、新興勢力を叩いてくる
こうした新旧勢力の対立は、何時の時代でも起こりえる事であり。
かつての職業左翼のお株を奪う形でのデモを繰りかえす。新興右翼として、在特会を始めとする団体が登場した背景はここにあるだろう。
「奴らを通すな」とは恐れ入った題名だ。
同じ様なことを何度、右翼集団はいわれたことか。
ヘイトスピーチは許さないといいながら、中指を立てた写真を表紙に飾り立てる姿もお笑いぐさだ
そのゼスチャーがどういう意味か、ご本人は理解しているのだろうか?
韓国や中国で反日デモが起こった際、国内の良識派と称する人たち
いま在特会非難の先鋒に立っている人たちは、なんと言ったか思い出して欲しい。
「非難する前に彼らがどうしてそういう事を始めたか、もっと理解するべきだ」
「憎悪をぶつけ合い、憎しみの連鎖を生み出すべきではない」
「どうしてこんな事になったか、もっと歴史を学ぶべきだ」
こんな発言を繰り返していたではないか
いまこそ、彼らに同じ言葉を伝えたいものだ
本当に彼らがそのような姿勢で全てが解決すると思っているなら、そうやって在特会を収めるがよい
少なくとも国同士の対立を収めるよりは言葉が通じる相手である分、楽な事だろう。
それなのに、口に出すのは法規制や罵声ばかり。
彼らは自分自身の言葉に自信を持っていないと言うしか無いな
職業右翼たちも、偉そうな事を言う前に、自分達の態度が果たして社会に受け入れられていたか
支持を得ていたか、いまここで考え直すがよい
そしてやる事は企業ゴロ
一方的にいい加減な雑誌を送りつけて高額で買わせたり
企業を叩いて、金を受け取ったり
こうした既存の街宣右翼たちへの幻滅が、新しい右翼勢力を生み出すのは当然の事だ。
既存の右翼集団は、お株を取られるとばかりに、新興勢力を叩いてくる
こうした新旧勢力の対立は、何時の時代でも起こりえる事であり。
かつての職業左翼のお株を奪う形でのデモを繰りかえす。新興右翼として、在特会を始めとする団体が登場した背景はここにあるだろう。
「奴らを通すな」とは恐れ入った題名だ。
同じ様なことを何度、右翼集団はいわれたことか。
ヘイトスピーチは許さないといいながら、中指を立てた写真を表紙に飾り立てる姿もお笑いぐさだ
そのゼスチャーがどういう意味か、ご本人は理解しているのだろうか?
韓国や中国で反日デモが起こった際、国内の良識派と称する人たち
いま在特会非難の先鋒に立っている人たちは、なんと言ったか思い出して欲しい。
「非難する前に彼らがどうしてそういう事を始めたか、もっと理解するべきだ」
「憎悪をぶつけ合い、憎しみの連鎖を生み出すべきではない」
「どうしてこんな事になったか、もっと歴史を学ぶべきだ」
こんな発言を繰り返していたではないか
いまこそ、彼らに同じ言葉を伝えたいものだ
本当に彼らがそのような姿勢で全てが解決すると思っているなら、そうやって在特会を収めるがよい
少なくとも国同士の対立を収めるよりは言葉が通じる相手である分、楽な事だろう。
それなのに、口に出すのは法規制や罵声ばかり。
彼らは自分自身の言葉に自信を持っていないと言うしか無いな
職業右翼たちも、偉そうな事を言う前に、自分達の態度が果たして社会に受け入れられていたか
支持を得ていたか、いまここで考え直すがよい
2014年1月25日に日本でレビュー済み
反社会的行動とりながら俺たちを差別するなという。
「安易な暴力はよくないですが、武力を使うのも時には必要なこと。
目の前にののしっている人がいて、手を出しちゃったら、
そのくらいは許容範囲内。ちょっと怖さを見せないと、
威圧効果を出せないというのが、リアルな側面としてある。」
などと論外な発言をしておりようするに暴力団や左翼過激派の発想とである。
恥という概念がないのだろうか?
「安易な暴力はよくないですが、武力を使うのも時には必要なこと。
目の前にののしっている人がいて、手を出しちゃったら、
そのくらいは許容範囲内。ちょっと怖さを見せないと、
威圧効果を出せないというのが、リアルな側面としてある。」
などと論外な発言をしておりようするに暴力団や左翼過激派の発想とである。
恥という概念がないのだろうか?
2013年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山口祐二郎さん「奴らを通すな!」読了。
文章だけでなく、在特会・反差別カウンター・著者の行動を描いた略式年表、人物相関図も記載されている。
いわゆる「ニコ動」で見せる表の顔と、山口さんに会った時に見せる「裏の顔」
カウンター諸氏だけでなく、在特会の一般会員の人たちにこそ、読んでもらいたい。
在特会幹部たちが、どれだけ矛盾した行動を取っているかということを知ってもらうために。
そして、運動だけでなく、何事にも大事なのは、「涙」と「葛藤」であることを。
文章だけでなく、在特会・反差別カウンター・著者の行動を描いた略式年表、人物相関図も記載されている。
いわゆる「ニコ動」で見せる表の顔と、山口さんに会った時に見せる「裏の顔」
カウンター諸氏だけでなく、在特会の一般会員の人たちにこそ、読んでもらいたい。
在特会幹部たちが、どれだけ矛盾した行動を取っているかということを知ってもらうために。
そして、運動だけでなく、何事にも大事なのは、「涙」と「葛藤」であることを。
2013年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私も反差別主義者ですが、山口さんの言動には少し疑問を持っていました。またこの人の行動・運動には、真の理由が無いのでは?と思っていました。
この本はもちろん全て山口さんの主観ですで、客観的に冷静に読まなければなりませんが、今までの山口さんへの疑問を吹き飛ばすには充分な内容でした。
この本はもちろん全て山口さんの主観ですで、客観的に冷静に読まなければなりませんが、今までの山口さんへの疑問を吹き飛ばすには充分な内容でした。