アルバム「the adventures of bumblefoot」でまさに「衝撃的な」デビューを果たしたロン・サールのセカンドアルバムです。1996年の作品。
デビュー作では「オールジャンル」と言えるほどの幅広い音楽性と両手タップ奏法による脅威的なテクニックを見せつけたロン・サールですが、ここでは何と1曲目を除いて全曲ボーカルにチャレンジして、さらなる多芸ぶりを発揮しています。全曲オールインストだった前作から続けて聴いた人にとっては、まずここで「裏切り一発」という感じです。最初の曲はこのアルバム中唯一のインストですが、曲調はいきなりダークでヘビーなリフで始まるブラックサバス風のハードロックです。おやおや、作風が変わったのかな、という感じでここでも「裏切り一発」。以降、ツェッペリン風あり、ラップあり、アコースティックありと何でもありの世界へと突入していくので、結局はデビュー作でも感じられた彼独特の「おちょくり感覚」が全面を支配することになります。
資料によればロン・サールは自宅のスタジオでほとんどのパートをたった一人で作り上げてしまったということ。まさに「一人ザッパ状態」ということで、その奇才ぶりがいかんなく発揮されている作品です。