やってくれてます。
悪ノリです。
映画の中だけに出てくるギャグバンドかと思っていたのですが、
私の認識が甘すぎました。
こんなナリでこんなことをやっている連中が本当にいたんです。
悪ノリとはいえ、堅固な土台がドッシリと根を張っているようです。
相撲取りが四股を踏みながら真剣な表情でジャグリングをしているような、
抗い難い異様な力強さがあります。
その野太い音に蹂躙される我々の聴覚は、
祖国フィンランドを虐げてきたロシアに対する
彼等の屈折した表情を見ていることにもなるのでしょう。
しかし、そこには安直な阿諛などはもとより、
裏返しの自嘲すら既に読み取ることができません。
屈折を屈辱と思わぬ強靭な下半身、
心の古傷にも目くるめくことのない清澄なバランス感覚。
これこそが四股を踏みながらのジャグリングをも可能にする足腰の粘りなのでしょう。
おのれを笑いのめすには、
これくらい臍に力を入れてテンションを上げる必要があるのだと
ホレボレしました。
フィンランドの音楽ヒロイズムの担い手として、
レニグラこそはシベリウスの後継と位置づけられるべきでしょう。
ぜひ、日本国内版限定ボーナストラックのジンギスカンで、
まるでアメ横の叩き売りのような混濁した重量感に圧倒されてみてください。