最初にお断りしておきますが、録音が古く音質はあまり良くありません。全体にザラつき感があり、ところどころで音割れが見受けられます。
それでもこれを推すのは、全ての演奏が優れているに他ありません。アンダーソンの楽曲が持つ本来の楽しさを実感できる点で他を凌駕している理由として、彼の作品の初演を大半担った事が大きいでしょう。
特にお勧めは常に一定のテンポで最後まで激走する「フィドル・ファドル」(恐らくランニングタイムは史上最速)、終始ゴージャス感溢れる「舞踏会の美女」「サラバンド」、そして他の録音例が少ない「チキンリール」。
「忘れられし夢」「クラリネット・キャンディ」など収録しきれなかった曲があるのは残念ですが、アンダーソン入門編としてこれ程適したものはありません。