「うる星やつら いつだってマイ・ダーリン(以下うる星6)」と同時公開された「らんま1/2」の映画第1作。
オープニングは八宝斎の下着泥棒のシーンから始まり、乱馬があかねに誤解されて追いかけまわされ、
ついには町内を巻き込んだ大騒動に発展するなど、「うる星6」以上のドタバタぶりを見せます。
しかし、この作品は「うる星6」と比べるとシリアスな作品です。まず、この作品は「うる星やつら 完結篇」でも描かれた「ヒロインを結婚目的のためにさらう輩」が登場します。そのキャラクター・キリン役は塩沢兼人さんで、「完結篇」と同じキャスティングです。
あかねがさらわれ、乱馬と仲間たちが救出のために立ち上がります。「うる星完結篇」と違うのは、この
救出こそが物語の「主軸」となる点です。
乱馬がどのようにしてあかねを助けようと奮闘するのか、それこそがこの作品の醍醐味です。
乱馬はあたるとよく似ている少年です。なぜなら乱馬もまた、あかねに対しては
面と向かって「好きだ」とは最後まで言わなかったからです。
だけど、その行動の端々にはあかねを思う乱馬の強い思いが見て取れます。
ひねくれていて不器用で、素直じゃない主人公・早乙女乱馬
そんな彼のかっこいい一面を存分に楽しめる一作です。