当時は他に選択肢がなかったので、こんなゲームでもやりこんだ。
どれくらい酷いかというと、例えばこのゲーム、エンディングが、「ない」。
クリアしたらタイトル画面に戻されて終わりである。本家ロックマンのように、苦労して8ボスを倒し、さらにボスを倒し、ワイリーチームを倒した後の当時の子供のがっかり感はいかほどか。
詳しくない人はそんな馬鹿なと思うかもしれないが、当時のクソゲーを知る人ならそれくらいのバグあっておかしくないと分かっていただけるだろう。
後にインターネットの時代になって、ROMの中から解析されたエンディングの映像が動画サイトに流された。エンディングはちゃんとあったのだ……ただしそれは見ることはできないが。特になにか規制対象、権利関係にかかるような問題がありそうにみえないし、プログラム上のミスなのか、不明。
そんな感じで全体的にしょぼい未完成品である。せっかくのすごいロボット同士のサッカーなのに、派手な演出の行動は1人1種類の必殺シュートでしかできないし、試合時間は長く、よく時計が止まってだれる。普通にシュートしたらキーパーは鉄壁の守りでぜんぜんゴールが入らない。NPCがやっている、キーパーをひきつけて端にジャンプさせてから正面から入れるシュートが推奨の攻略法のようだが、特定の位置からシュートしたらあっさり入ってしまう。(たとえばドリブルしていって画面下方から回り込んで押し込むようにシュートすると入る。当時我々、ご近所の小学生たちの間ではバナナシュートと呼ばれていた)。雑なつくりである。
こういったゲームへの反省を生かして、イナズマイレブンのような後世の超能力サッカーゲームがあるのだろう。
だが、魅力もある。ロボット同士だからってやりすぎの必殺シュートの演出は爆笑モノ。8ボスやブルースをいれてサッカーチームをつくるのは楽しい。ゴールして、元気よく喜び踊るロックマンたちのキャラクターの姿は、当時のロックマンファンにはぜひ目に焼き付けてほしい良い所だ。