90年代を舞台としたホラーアドベンチャー。
その質はとても高く、安易なビックリによるホラーごり押し展開ではなくジワジワとくる恐怖がたまらない。
全10話と若干短いような気もしますが、繰り返し違う展開を見ながらプレイしていくとかなりのボリュームになると思います。
そして登場人物なのですが長谷川ユカリ(主人公) 逸島チサト(霊感の強い親友) 岸井ミカ(トラブルメーカーの後輩)の三人がいい味出してます。
しかしこの操作する事になる主人公の長谷川ユカリに中々感情移入出来ませんでした・・・
ストーリーの展開などが霊感の強い逸島チサトありきで進むことも多いため、「チサトが主人公の方がいいんじゃないの?」などと終始思っていました。
例:「物語の〆に助けてもらった家にお礼を言いにいく、そこで衝撃の事実。そしてしんみりした展開へ。」この大事なイベントが主人公のユカリ無しでチサトのみで進みます。
普通これって主人公の役目のような・・・
他にも主人公はユカリのはずなのにやたらとチサトに助言を求める選択肢が多く、主人公が言うべきような事を大体言ってくれます。
かといって主人公ユカリがADVにありがちな「感情移入しやすい無色透明」に近い主人公かというとそうではなく
プレイヤーが思いもよらない設定が後から出てきたりして置いてけぼりをくらい、
そうかとおもえば当たり前のようにプレイヤーにユカリとしての選択肢をせまり、操作をさせる。
感情移入していくのはチサトなのに、操作させられるのはユカリ・・・このなんともギクシャクとした噛み合わない感じが最後の最後まで抜けませんでした。
ユカリがキャラとして悪いというわけでは無く、どうみても「親友」ポジションのキャラで主人公に合っていないんだと思います。
これでチサトが霊感の強い主人公でユカリが親友だったら☆5でした。