子供の頃、友達の弟がこれに熱中していて、
すごく面白そうで私もやりたかったのです。
しかしゲームの展開を聞けば聞くほど、
日曜日は家族で教会に行く家の子だった私には
やったら地獄に落ちそうで恐ろしくて、
手が出せないでいるうちに気づいたら25年も経ってました…。
キリスト教の人でなくても、今だったら、原子力発電所が登場しますので、
そのあたりがきわどそうです。
楽園をめざして塔を登るだけの話だと思ったら大間違いの、ショッキングなストーリーですよ。
さて、箱・取説付きで買い、真面目にやりはじめたはいいけれど、
物語が進んでくると、バグで回復役のエスパーがモンスターに変身してしまうやら、
画面が真っ白になるやら、セーブファイルは一個だけだし、最初からやりなおすこと数回。
結局攻略サイトを見てしまいました。
「のうりょく」欄の一番下をAボタンで選択したのち、Bでキャンセルしてはいけません。
(回復魔法をそこに置きがちなのです)
私はそれをわかっていても、ラスボス前でやってしまってセーブしてしまい、
最強の鎧と一緒にお気に入りのエスパーが得体のしれないモンスターになってしまいました。
でも、短いゲームなので、最初からやりなおすのはそんなに大変ではないです。
むしろやり直すたびにどんどん効率がよくなり、違う方法も試してみたり、楽しい。
結局お話もシステムも面白いから、バグがひどくても「大好きだ」と言えます。
(私は手を付けていないけど、バグこそが、裏ワザこそが、このゲームの真骨頂のようです。)
画面も音楽も、シンプルだけどメリハリが効いていて、一面のお花畑とか、雲海とか、
なんか感動してしまいます。雲がたえず流れているのがかっこいいしBGMも最高!
怖い場面はとことん怖いし。
ところでRPGの主人公って、大抵育ちのいい人ばかりで、
私などは無意識に、困っている人を見たら助けるのが主人公だと期待してしまうけれど、
こいつらはどうなんでしょう。いい女でなければ助けてくれないかも。
一歩町を出れば無法地帯、できれば襲われる前に先制攻撃で殺して相手の金と肉を奪い、
その金で薬を買いこんで、ちからとすばやさをドーピングする日々。
あるいは相手の肉を食って別のモンスターに変身することを繰り返す毎日。
「喧嘩? やるか? いいだろう。」みたいな人たちで、もう、想定外の面白いセリフがたくさんでてきます。
でも私が一番気に入っているのは、終盤、書庫のようなところでの一言です。
過去に塔に挑戦してきた冒険者たちの死亡記録を集めた部屋で、まだ白紙の自分の項目を発見してしまったとき、
すかさず「こいつらみたいにとちゅうでやられてたまるか!みてろよ」と言ってました。
はじめは何も思わなかったけど、二度目に見たとき、じんときました。
態度がでかくて喧嘩っ早くて都合が良くてどーしようもないやつらだと思ってたけど、
おまえらかっこいいね、と。