自分は「ラーゼフォン」も「エスカフローネ」も観ていない。で、純粋に曲だけを聴いて感じたのは、確かに『ヘミソフィア』も『tune the rainbow』もいい曲だとは思うが、『約束はいらない』と『指輪』みたいに「神懸かり」的なまでの良さはないんじゃないかな、ということである。確かに「匠の技」を感じさせはするが、手練の範疇というか、「超越が宿った」とまではいかない、という。『マメシバ』の最後の方の展開でもそうだが、自分が管野よう子×坂本真綾のコラボに求めているのは何よりもその「超越」の宿る瞬間だと思うので。
そういう意味ではカップリングの『Garden Of Everything』の方がより「超越」に近いところにある曲だと思う。この曲で坂本真綾が歌うメロディが「だったん人の〜」だという事は既に多くの人が指摘しているが、私的にはSteve Conteの歌うサビの終りの方のメロディがまんまStevie Wonderの『Ribbon In The Sky』と被っていることの方がより「スゲェ。」だった。まあ、これまでにもBeatlesの『In My Life』やBilly Joelの『素顔のままで』からのあからさまな部分的引用を管野よう子は坂本真綾に提供する楽曲の中に散りばめてきた訳だが、今回はそれをSteve Conteに歌わせて、かつそこに「だったん人〜」を絡ませるという。英語と日本語、男性と女性という違いを越えて歌と歌、メロディとメロディが交わって歓びを紡ぎ出すという。