この映画は、デビュー間もないアイドルとストーカーの存在関係から
始まる。ここで描かれるストーカーは世間一般のストーカーでなく、
本人に危害を加えたり、迷惑をかけないストーカーである。
これに気を許したアイドルは、自分の心を少し開こうとする。
一方、メジャーデビューのために、アイドルは自殺した友人の遺作の歌を
歌うことになるが、この歌は、ある種の「呪歌」であり、真相のわからない
純粋な彼女には、歌うことができない。
このような、硬直状態に、ストーカーの体調変化が、思わぬ結末をむかえる。
登場人物の人生が幸せだったのか考えると、とても切ないストーリーである。
この映画のために作成された曲も秀逸であり、作品に深みを与えている。