松田優作がジーパン刑事としても、1人の役者としても『太陽にほえろ!』で彼の役者魂を日本中に認めさせた成長振りが明確に分かる佳境へと本作は入って行く。僕もこの歳になって優作の殉職シーンを改めて観ると実に優作らしい芝居だと思います。『太陽にほえろ!』からアメリカ映画『BLACK RAIN』まで松田優作が出演した作品は全て観ました。1秒先の演技を計算に入れて芝居の事しか心になかった不世出の役者‥それが、松田優作です。そして、いくら非凡なる才能がある松田優作といえども、他の共演者の存在があってこそ彼の演技力が「輝」のです。僕にとって松田優作は、いつ、如何なる時でも松田優作は『松田優作』なのです。僕は優作の殉職シーンは格好いいとは思っていません。キザな台詞じゃなく「死にたくない．．俺は死にたくない．．」と刑事としてではなく、１人の人間として素直に自然と出た言葉だと感じています。もし、優作に「殉職シーン、格好良かったよ」と言ったら優作は怒ると思いますね。見てくれだけの感想は優作が１番嫌う事ですからね。心の奥底にある人間的芝居こそが役者人間の松田優作そのものなのです。以上です‥お粗末でした。★★★★★追記・・『愛の殺意』の酒井和歌子のサイコ的演技力は素晴らしかったです。当時を想えば、かなり難役だったと思いますね。酒井和歌子の笑顔がとても可愛かったなあ〜。この『愛の殺意』．．かなり泣けます。では、SEE YOU AGAIN ! （終）。
