TVシリーズのキャラクターと基本設定はそのままに、新たなストーリー、世界観で作られた劇場版オリジナル作品「パラダイス・ロスト」にカットされたシーンを追加、再編集したディレクターズカット版。
TVシリーズ「仮面ライダー555」の劇場用映画版。ただしTVシリーズとの直接的関連性をあえて断ちきり、その基本設定とキャラクターだけを独立させてまったく別の世界観、別の物語を構築したという野心的な作品。 すでに人類の大半がオルフェノクと呼ばれる人類の進化形と化し、巨大企業スマートブレインが支配する、そう遠くない未来。レジスタンスに参加する真理(芳賀優里亜)たちは、「帝王のベルト」を手に入れて強大な力を得ようと計画する。 TVシリーズの延長ではなく、あえて1本の映画としての完成度を高めることを目指したスタッフの意気込みは、見事に反映されている。ジャイロアタッカーに乗った騎兵隊たちの襲撃、TV版とはデザインの異なる、人類との共存を願う3人のオルフェノク、そして初の外国人ライダーとなったピータ・ホー演じるレオ=仮面ライダーサイガ、1万人のエキストラを動員して撮影したコロシアムでのクライマックス、巧の驚くべき真の姿。田崎竜太監督の演出は、快適なテンポでこれらの見せ場を存分に描ききっている一方、真理と巧の淡い思いをロマンティックに描写しており、とりわけ芳賀優里亜の強い意志を感じさせる瞳は印象に残る。(斉藤守彦)
監督: 田﨑竜太 原作: 石ノ森章太郎 脚本: 井上敏樹 撮影: 松村文雄 美術: 大嶋修一 アクション監督: 宮崎剛 特撮監督: 佛田洋 音楽: 松尾早人 出演: 半田健人/芳賀優里亜/ピーター・ホー/速水もこみち/黒川芽以/泉政行/加藤美佳/唐橋充/溝呂木賢/栗原瞳/村上幸平/角替和枝/津田寛治/村井克行/大高洋夫 -- 内容(「CDジャーナル」データベースより)