リアルロボットという言葉がある、架空の未来世界で第二次大戦やベトナム戦争をモチーフに人型の兵器で戦争をするアニメに付けられた呼称である、
それに対応してそのような作品が登場する以前の作品にはスーパーロボットという呼称が与えられ、これがしばしば蔑称として用いられる。
しかし、いつの時代もリアリティの無い作品が受け入れられる事は無い、地球全体で見れば、いまだに「リアルロボット」アニメの人気は「スーパーロボット」に及ばないという事実は日本人と西洋人の感じるリアリティに隔たりがあるゆえで、実際に「軍事」に触れる事の多い西洋諸国の人たちは未来世界の戦争、よりも現代に起こる狂信者によるテロリズムのほうが「リアル」だと知っているのであろう。
本作、「グロイザーX]の原作者「桜多吾作」氏は「グレートマジンガー」および「グレンダイザー」のコミカライズにおいてロボットアニメに革新的なリアリティを流入させた先駆者としてロボットアニメファンに高い評価を受けているが、そんな氏のオリジナルである本作は同時代のロボットアニメとも、その後の作品群とも明らかに異質な濃厚なリアリティを持つ作品である。
乱雑な作画やチープな色使い、ケアレスミスの連続で現在のファンが見れば失笑のもとに迎えられる作品ではあるがその向こうにあるドラマ性とリアリティに気付く時、貴方は真の「リアルロボットアニメ」とはなんたるかを知るであろう。