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男娼をしていた少年時代をつづったJ.T.リロイの衝撃的な自伝小説を、イタリア・ホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントの娘であるアーシア・アルジェントが監督・主演。里親から息子のジェレマイアを引き取った実母のサラだが、ドラッグや行きずりの男とのセックスが止められない。やがてジェレマイアも、サラの生活に影響されていく。
全編、観ているのが辛い。ここまで痛々しい映画も珍しい。母の奔放な行動に付き合わされ、ときには児童虐待のような行為も受けるジェレマイアだが、本能的な親子愛が彼を母と結びつけていく。幼い心が受ける試練は切ないばかりだが、その一方で、母親としてのサラをただ否定的に描かなかったところも、本作の特筆すべき点。壮絶な物語なのに母子の愛情に共感させる手腕は、アーシアの監督として、俳優としての情熱が生んだものだろう。映像と音楽がパンクな雰囲気をかもし出し、ピーター・フォンダ、マリリン・マンソンら脇を固めるキャストも適役だ。(斉藤博昭)
レビュー
製作: クリス・ハンレイ/アライン・デ・ラ・マータ 監督・脚本・出演: アーシア・アルジェント 原作: J.T.リロイ 脚本: アレッサンドロ・マガニア 撮影: エリック・エドワーズ 音楽: マルコ・カストルディ/ソニック・ユース/ティム・アームストロング 出演: ジミー・ベネット/ピーター・フォンダ/オルネラ・ムーティ/キップ・パルデュー/マイケル・ピット/ジョン・ロビンソ/ディラン・スプラウス/コール・スプラウスン/マリリン・マンソン/ウィノナ・ライダー
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)