双葉社刊コミックハイ!連載/私屋カヲル原作
「こどものじかん」TVアニメ第11,12話を収録したDVD6巻です。
見た目は小学校低学年、中身は大人の女。際どいエロス描写に
色々目覚めてしまいそうなアブナイ部分が多々あるものの、
親、教師など大人が子どもに与える影響、教え導く難しさを真っ直ぐ
問題視した真面目なドラマに驚かされます。
(総合6.5/10点)
11時間目「みんななかよく」★★★★☆7/10点
幼年期のトラウマが発する愛情という名の束縛描写に震え、
それを子に強制してしまう姿はなんとも哀れ
身内以外を外敵とみなし、冷静さが効かない激情にかられる半壊の
心理描写が冴え、まるでホラーのような怖さにゾクゾクさせられます
分け隔てなく皆を愛する教師の理想的な輝きとは対照的に、
協調性に欠けた現代の人間社会の闇を垣間見る物語です
12時間目「こどものじかん」(終)★★★☆☆6/10点
昨今見受けられる、家庭→学校へと直撃するステレオタイプの親の奇異な行動や発言を
象徴するような物語です。頼れる人もおらず、話し合いの場すら設けず、
感情のままに最善強行策で事態の解決を図ろうとする思慮の無さが痛々しいです
劇中の「あなただって大人でしょう?」という問いかけが本作に込められた
見た目(年齢)と中身(心の有様)の食い違いと、その見た目が認識させる
世間体の無情さを捉え、「こども扱い」の間逆にある「大人の未熟さ」を
痛切に投げ掛けており感心させられました。
(総評)
誰かと手を繋ごうとする純真なこども心を忘れてしまった
お子様な大人達へ向け、警告を発したような作品でした。
ロリペドに近い見てくれを危険因子だと避ける大人自身が放ったTV放送中止措置こそ、
本質を見極める思慮深さの欠落の末端といえるのではないでしょうか