GBで1作、DSで1作のカードヒーローシリーズの現行の最新作。
自分はどちらかというとテレビゲーマーというよりはカードゲーマーなので、そっちの目線でレビューしたいと思う。
今作はGB版カードヒーロー直系の続編であり、
スピードルールの追加、タッチペン操作の導入、カードの追加といった要素が加わった。
さらにカードの絵柄もブラッシュアップされ、若干コ○コ○コミック感が増した。
タッチペン操作は直感的な操作が可能になった上に時間の面でもスムーズさが増したので、大歓迎。
DSという媒体の特徴をうまく利用できていて好印象である。
スピードルールはGB版では実質唯一の遊び方であったProルールに加えて、新たな刺激となる刹那の遊び。
これはこれでとても面白い。悪い点としては先攻が圧倒的に有利というゲームバランスがあるが(もちろんそれを崩すテクニックもある)、
今までProルールでスポットライトを当てられなかったカードたちが活躍する場を与えたという意義は非常に大きい。
奇想天外さもProルール以上で、意外な戦略であっという間に負けたり、大逆転したりと、最後まで気が抜けない。
カードヒーローの新しい解釈として、これも素晴らしいフォーマットだと思う。
一方おなじみのProルール。頭が下がる。8年たってもちゃんと面白い。
言ってしまえば、今押入れからほじくりだして遊んでみても面白いと感じるだろう。
それぐらいフォーマットが練れている。作ったスタッフは本当にすごいと思う。
・具体的な位置関係という概念
・限定的なリソースの下展開される戦略
この2点においてこのゲームは異質であり、カードのアドバンテージが戦局の優劣に直結しないという点が素晴らしい。
それでいて手札の質というランダム性はカードゲームらしい依存の仕方をしているので、そこら辺のバランス感覚というのはそんじょそこらのカードゲームのデベロッパーのはるかに上を行っているのではなかろうか。
カードゲームを名乗って資産を垂れ流しにさせるだけの阿呆デベロッパーどもに爪の垢を煎じて飲ませたい気分である。
何度も言うが、それぐらい素晴らしいフォーマットを持っている。
何故任天堂はこれを育てようとしなかったのか、不思議になるくらいである。
確かにすそ野の広さはTCGにとっては延命という意味で大切な要素だろう。
しかし、この何百枚かの組み合わせが起こすファンタジーもまた、カードゲームの醍醐味だと思う。
今からでも遅くはない。ポケモンにうつつを抜かしてないで、
もう一度カードヒーローを育てるんだ任天堂よ。
このゲームは面白い。それに尽きる。