芸能界のアイドルではなくロボット“iDOL”のマスタープロジェクト・オーディションに合格した春香(井口裕香)やたち少女の戦いを描いたSF青春ロボットTVアニメーションのDVD第9弾最終巻。第24話「復興暦百八年」インベルと融合することに取り憑かれていく千早(清水香里)と、トゥリアビータ基地に潜入して彼女と、そして義母テル・ロ・ウ(池田昌子)と対峙するあずさ(櫻井智)。iDOLに魅せられ、取り込まれ、そして翻弄されていく女たちの狂気の図が悲しい。第25話「春の雪」トゥリアビータもiDOLもすべて消滅させようと朔響(竹若拓磨)ら“グランドロッジの猫”が図る緊迫状況下で、春香は雪歩(堀江由衣)と再会。裏切られた者と裏切った者、希望を捨てない者と絶望に取り込まれた者、かつての親友同士の戦いはどのような決着を迎える? 第26話「月とペンギン」は最終回。自らを犠牲に地球を救おうとするiDOLにあえて乗り組む少女たちのフィナーレ。シリーズ全体を通して、メカと少女のラブストーリーは見た目ほど甘くも可愛くもなく、かなりシビアで壮烈なものであった。『舞-HiME』シリーズと相似したキャスト・システムや裏切りなどの展開に戸惑ったのも一瞬で、後はオリジナリティに富んだ少女たちの愛をめぐる希望や嫉妬の劇が見事に構築されていたように思う。毎回のラストからエンドクレジットの見せ方にもわくわくさせられた。(増當竜也)