Googleマップは自転車で旅をする私に、侵入禁止の最短ルートしか教えてくれない。
思い返せばこの映画を紹介してくれた人も
お世話になった学校の先生も、
そして本作の博士も。
優れた案内人というのは皆、近道しか教えてくれない。
そこでどうやら主人公は、
「見えない言葉はなんなのか」を考えたようです。
これは教えてくれたのに、なぜこれは教えてくれないのか。
言われたことではなく言わんとしていることに目を向け、その人の真意や物事の本質を捉えている。彼にそれができることをわかっていたから、博士は何も伝えなかったのでしょう。この映画は私に、人生を切り開く思考法を授けてくれました。
さて、本作最大の謎は主人公の
「悪いのは僕です」という発言。
自らをこれだけ悲惨な状況に追い込んだ博士を、彼は責めない。
もしかすると彼は、過去になにか取り返しのつかない大きな過ちをおかしているのではないでしょうか。彼がそれまで受ける仕打ちは、博士の身内を皆殺しにでもしてなきゃ釣り合いがとれません。ヒロインが聞いたという主人公の噂は、怪しい研究に関わっていることではなかったのではないでしょうか。
私は主人公の真意を探るべく、これから何度もこの映画を楽しむでしょう。
よければこのレビューを読んでくれたあなたもDVDを買って、私の探求に付き合ってみませんか?