ブレードランナー、2001年宇宙の旅、トロン。
この時代の映画とともにガンダムショックを幼少時を過ごした世代として、
上記の映画のモチーフをデザインしたプロダクトデザイナー出身のシドミード氏が、ガンダムをデザインすると知った10年前は…感動した。
と同時に不安もあった。
マーケットに対応できるのか?複雑なデザインをおもちゃに落とせるのか?
結局、当時はNGだったように思う。
しかし、やっと…時代の方向性と、技術が追いついたのかも知れない。
このロボット魂ターンX月光蝶バージョン。
プロダクトデザイン特有の三次元玩具としての位置づけの困難さを、見事に脱した逸品かも。
色数の多い同タイプのターンAに比して、
装甲面をクリアにすることで各部のモールドが際立ち、通常ロボット魂特有の成型色プラスチックのチープさがない。
また光を透過すれば、非常に美しい。
そしてこのグッドデザインを、
このサイズでここまで具現=再構成できているのは、驚愕とも言える。
同タイプのターンAが、
ミード氏のデザインを全体にブラッシュアップ(特に顔の目つきと髭位置、腰の太さ、肩を怒り肩に、足を今風カトキ調に…つまり若干かっこよく)しているのに対し、ターンXはほぼ設定画の通り。
顔と武器以外は。
強いて言えば、肩アーマーを可動させることで、シルエットとポージングのかっこよさをユーザー自ら選択できるのはいい!
最近の予算低下を感じるブロックデザインのロボットや、ガワラデザインに起因する日本のロボットとも毛色の異なるザ・アメリカンな意匠。
全体的にも、よくここまでというくらいに、ミードデザイン特有の細部に至る工業的なデザインを見事に再現されていて、制作者の気合さえ感じる。
肩アーマーのレイヤー構造の色指定など、このデザインを見事に活かしている。
しかも、流石にロボット魂、グリグリ動かせるのは感涙もの!
とりあえず、文句はないが、敢えて言えば残念点は3つ。
・設定上はターンAと同じスケールだが、ターンAのほうが小さい。
これはターンXの頭部のバランスによるものだと思われる。頭部をターンAと同じスケールにすれば、全体も大きくならざるを得ないかな。
・武器が小さい。
ターンXは「破壊者」としての性格を持って禍々しくデザインされている。ターンAより武器が小さいのはちょろっと弱弱しい。
・そして、お顔。
角の太さはサイズ的に仕方ないとして…眼がくっきりしすぎ?
通常仕様では、ツインアイはなくスミベタ。
頭部のデザインは、ターンA同様にブラッシュアップされ、設定上では筋程度だったカメラ部分が大きくなり、かっこよくはなっている。
しかし、デザインの設定上では眼はない
(ミード氏も「悪者」という設定上→ミステリアス性と、これは善であるターンAとの対比によることを言及している。
しかし、ミード氏のイラストにはうっすら眼が描かれ、ドラマの演出上ツインアイが光る時もある。)
この設定に忠実ながら、頭部デザインをブラッシュしたためか、通常仕様ではもっさり感をかもし出している。
限定版故に、通常仕様との差別化を図りたかったのか…。
しかし、元来ツインアイがある設計ではなく、モールドがあるわけでもない。
ここは、眼のない通常仕様のほうがマシだと感じる。
但し、バランス的に気になるレベルでもなく、
気になればガンダムマーカーで塗ればいい。
元来はクリア成型設計ではないため、
微妙に内部の透け具合が部分的に微妙であるが、そのぶんツインアイのオペレートを右腕や左脛などにスミ入れしてくれれば…パーフェクトだったのに…。
とはいえ、ロボット魂の中では最高の部類であり、ミードデザインの玩具としても秀逸。全体的にマイナス要素ではない。
ちなみに、ターンAは月光蝶バージョンより
ナノスキンフィニッシュを購入するほうが、デザイン的にモノとしての価値は高いかな。
個数 | 1 |
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電池使用 | いいえ |
電池付属 | いいえ |
対象性別 | ユニセックス |
梱包サイズ | 20.2 x 17.9 x 5.8 cm; 222.26 g |
ASIN | B002NFTECK |