かつて405ktの最大速度を出すという、B-29迎撃用の高速局地戦闘機が存在した!
【解説】
第2次世界大戦末期の昭和19年から20年にかけて、日本本土が米軍重爆撃機B29による激しい空襲にさらされている最中、福岡の九州飛行機で画期的な戦闘機の試作が極秘裡に進められていた。 弾丸型の機体で、これまでの飛行機の常識を破り、後尾にプロペラを取りつけた、この戦闘機の名は前翼型(エンテ型)飛行機「震電(J7W1)」。完成の暁には上昇高度1万2000メートル、最高時速740キロ。当時としては画期的な高性能を発揮して、わが物顔に日本の上空を飛んでいたB29に痛撃を加えることが期待されていた。
昭和20年8月3日、震電は試験飛行にて初飛行に成功。続いて8月6日、8日にも試験飛行を行い、福岡の空を飛んだ。しかし、1週間後の8月15日、日本は終戦を迎え、震電は遂に実戦でその高性能を発揮しないまま舞台を去った。
【収録内容】
当時、弱冠26歳にして震電を考案した元海軍少佐や、元九州飛行機の技術者たちの証言と、震電の試験飛行の模様を克明に写した貴重なフィルムをもとに、第2次世界大戦末期に九州で作られていた幻の高速戦闘機の実像にせまる。
カラー(一部モノクロ)/ステレオ/本編約28分/ 1985年4月19日NHK総合テレビ・九州ローカルにて初回放送