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現在、世界的な音楽のムーブメントといえば、エレクトロとダブステップだが、日本においてもエレクトロが最近を大きな一翼を担いつつある。
そんな中で、若手のエレクトロユニットの日本代表と言えば、本稿の主人公、８０kidzだ。
前作がエレクトロとしては異例の売り上げを記録し、今年リリースしたシングルもITUNEチャートで上位に食い込みなど
正に上り調子の中、ドロップされたのが今作、ウィークエンドウォーリア。
しかし、そんな派手なシーンの状況と離れて、今作は80kidzの軸の部分で勝負した作品になっている。
８０kidzのセールスポイントは、ヴォーカルをフューチャーしたポップなナンバーと、メロがはっきりしたエレクトロを書ける点にあるが
今作は、その２つのポイントでは勝負していない。
実際、CSSのラブフォックスをフューチャーしたスポイルドボーイは今作には収録されておらず、全てインストナンバーというかなり攻めの姿勢。
インタビューでもアリとジュンはあえて、リスキーな選択をしたと語っている。
露出が増え、セールス的にも大きなアップが見込めそうな時だからこそ、自分たちの足場を固めたサウンドで勝負する。
それは単に流行の音楽として消費されるだけではなく、きっちりとクラシックになるアルバムを作ろうとする意識の現れでもある。
アルバムの作風自体は、前作の延長線上にあるものだが、まず大きく変わったのが、サウンドプロダクション。
今までのアルバムに比べて音質がかなり良くなっており、海外の一流のアクトに比重もしくは上回るほどの出来。
いわゆるロックリスナーにもクラブリスナーにも受け入れられやすいサウンドになっている。
もう一点はアッパーなロック風エレクトロが減り、シンセを全面に出したメロディックなナンバーが増えたこと。
またチルアウト、マッドチェスター、エレクトロクラッシュ、ダブステップなど今までの彼らのルーツをストレートに出したナンバーも前作と異なる点。
今までの路線が分かりやすく出たのは１、２のロッキンなダンスナンバー辺りで他のトラックはメロウもしくは多様なビートやサウンドプロダクションを持つ。
個人的なベストトラックはラストナンバーのウィークエンドウォーリア。メロディアスなシンセとバキバキに鳴ったビートが噛み合ったナンバーだ。
週末の戦士という表題の如く、パーティが終わっていく際の最後の高揚感と、寂寥感が混じった感覚が胸を打つ。
エレクトロという流行の中心に居ながらも、80kidzのアイデンティティがストレートに出た作品だ。
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