当方、ファミコン絶頂期に敢えてマーク'Vを購入した。
愛読誌だったBeepの影響が大きかったと思う。
ファミコンには、金をもらってもやりたくないようなゴミみたいなソフトがたくさん発売されていた。その反面、名作も多かった。現在の「ヒットの原型」の多くは、ファミコン絶頂期に創出されてきている。
（意見が分かれるとは思うが）マーク'Vの絶頂期は、メガロムでファンタジーゾーンが発売された1986年前半からPCエンジンが台頭し始める1988年前半だったと思う。
マーク'Vは駄作の割合が少なかった。駄作が発売されても目立たなかったけど、確実に駄作は存在した。マーク'Vのゲームを取り上げてくれる雑誌は、Beep誌とゲームボーイ誌（覚えている人はいないか・・・・）だけだった。ゲームボーイ誌は「ザ・プロ野球 ペナントレース」の隠れチーム対戦コマンドを数ヶ月にわたり間違い続け、記事のチェックの甘さに愕然としたのを覚えている（誰もついてこれないか・・・・）。このように貧困な情報量ではあったけれど、Beep誌のセガレポートのカラー記事は毎号楽しみでしょうがなかった。発売ソフトの水晶玉予言にドキドキしていた（ファンタジーゾーン２出るのか！）。
Beep誌のことが好きだっただけに、マーク'V版アフターバーナーについての本当の評価を書かなかったことには怒り心頭だった。PCエンジンにシェアを奪われ始めるのを目の当たりにして、Beep誌によるセガ贔屓の引き倒しの典型的パターンだと小気味良かった。この頃からセガもBeep誌もマーク'V切り捨て段階へ突入し始める。
というようにマーク'Vからメガドラにかけてのセガファン（マニアか？）の当方は、メガドラに比べマーク'Vへの苦言がいくらでも出てくる。
ファミコンに比べてマーク'Vは取り回しが悪すぎる。マーク'Vにはリセットボタンが無い。いちいち電源をオフにしろというのは乱暴すぎる。
ポーズボタンが本体に付いているのは不便だ。動きの激しいゲームをしている最中に離席することはよくある。とっさにポーズをかけるためにいちいち手を伸ばさなければならないのは本当に煩わしい。スタートボタンだけでなくセレクトボタンまでコントローラーに付いているファミコンがうらやましくてしょうがなかった。PCエンジンのコントローラーもファミコンの仕様を踏襲していた。
コントローラーの方向キーが本当に入力しづらい。上下左右を含んだ隠しコマンドをマトモに入力できないぐらいだ。方向キーの中心に棒ねじを装着しても親指が痛くなるばかりで、全く操作性は改善しない。当方は、ボタン左右が入れ替わることを覚悟した上で、MSX仕様コントローラーを転用していた。アタックが外、ジャンプが内という配置になっても、MSX仕様コントローラーを利用した方が何倍もマシだった。
マーク'Vの取り回しの悪さに対する苦情は非常に多かったにもかかわらず、なんら改善されていないマスターシステムのコントローラーの形状を目の当たりにし怒りを通り越して驚きと呆れでいっぱいだった。
メガドラが発売されて、
「コントローラーにスタートボタンがある！本体にリセットスイッチが付いている。よーやく人並みのハードになったんだ！セガという会社にも、開発部隊と営業部隊の意思の疎通があるんだ！」
と安堵したのを覚えている。
マーク'Vの名作ソフト「モンスターワールド」「スーパーワンダーボーイ」「ファイナルバブルボブル」などは数え切れないほどプレーした。移植希望が大きくても発売されずじまいのソフトは多かった。コナミのMSXタイトルのアレンジ移植は是非欲しかった。任天堂に遠慮してサードパーティーが集まらないなら、海外の名作ソフトの移植だってよかった。
ファミコンの自民党化を切り崩せるかどうかというときに、象とアリンコぐらいのシェアの差があったにもかかわらず危機感が感じられなかった。任天堂への対抗馬の地位を確立するには、メガドラのソニックの登場を待たねばならなかった。アレクのキャラクターを考案された方には大変申し訳ないのだが、「ソニックよりアレクのほうがカッコイイ！」と思う人にいまだに会ったことが無い・・・・・
当方も含めみんなソニックの方がカッコイイと思っている。ミラクルワールドを最後までクリアしたけど、当たり判定の詰めが甘く感じて小学生がすんなり入れるゲームだと思えなかった。
歴史の後知恵ではあるのだけれど、ファミコンの自民党化を切り崩せなかった敗因が目に付く。メガドラはマーク'Vの敗因を良く学んでいたと思う。サターンに移行する直前まで、スーファミとよく競り合っていた。メガドラ晩年のソフトの質も高かった。
取り回しの悪いマーク'Vだけど、愛すべき名作ソフトに免じて星四つです。
| ブランド | セガ |
|---|---|
| 梱包サイズ | 34.3 x 21.8 x 8.2 cm; 1.18 kg |
| 電池付属 | いいえ |
| 商品の重量 | 1.18 Kilograms |
