目新しいゲームに興味のある方にお勧め。
このゲームの一番の特徴としては社会が"土地"単位ではなく"村"単位で成り立っていることがあげられます。正確には"村"ではなく"村単位レベルの武装勢力"ですが。
その結果としてプレイヤーの立場は例えるなら国王や大統領というよりは国連のような連合組織のトップに近くなっていて、ゲーム上は各武装勢力からいかに支持を集めるかが重要になっています。
ちなみにこの"おらが村がたくさん集まったのが日本"という視点は、天下統一をめざす系ゲームが数多く出ているなかで、ありそうでほとんどない視点だったりします。
話を戻すと、ゲーム展開的には、ある国への武力進攻が成功した場合、その国の武装勢力だけではなく周辺諸国の勢力まで、これからは○○さんの時代ですよ〜、とばかりになびいてくることもあれば、合戦での敗北をきっかけに合戦の起きた国から遠く離れた国の勢力まで、もうあの人の時代は終わった・・・、とばかりに離反したりします。また、あまり戦争ばっかりしていると厭戦気分が高まって武装勢力がヒッピー化・・・。
こう書くとなんかややこしそうなゲーム、と思われるかもしれませんが、ゲーム自体はきわめてシンプルなつくりになっています。必要最小限度の要素のみ残して多くは抽象化されているので、プレイヤーのやれることは、「外交」「決起」「進軍、もしくは、解散してすかす」「合戦」「何もしない」「後白河法皇にふりまわされる」ぐらい。また、各武装勢力の動向もそれほど極端な結果にはならないので勝つも負けるもサクサク進みます。それどころか、ある勢力でプレイする時など、秒殺上等、の覚悟が・・・。
ゲーム全体の大きな流れも東国で源氏勢力のNo1にのし上がったら、西国を支配する平氏との決戦、という流れなので、戦国シミュレーションゲームに対する批判の常套句、面白いのは一定の勢力にのし上がるまで、後はひたすら中小勢力つぶしの単純作業、とはあまりなりません。
まぁ、経済の要素まで抽象化した結果として、史実の源平合戦ゆかりの地での合戦にあまり意味がなく、軍事行動の縛りも緩くなっていますし。個々の武将の能力がゲーム及ぼす影響が弱いためキャラクターゲームとしては淡白なので、「平家物語」よりも「太平記」を読んだ時の印象に近くなっていますが。
また、各武装勢力の動向がそれほど極端な結果にはならないことで派手な展開になりそこなっているとこもありますが、ただこの点は、システムが斬新なうえに、展開が読みにくいとなったら、ゲームのツボをつかむ前に、わけわかんないゲームって投げてしまう人も多いだろうからその辺は仕方ないかな・・・と。
あと、プレステ病にかかっている人には、この値段でこのグラフィックかよ・・・ってなっちゃうかも。