見出しに一曲チョイスしようと思ったけどまぁムリですね。歳を重ねるほど、曲を聴き込むほど、不変的なテーマがあるはずなのに頭に浮かび上がるものが移り変わってしまうので。曲の進行に並行して得られる超瞬間的なイメージだけが、結局最も曲の真意に近い気がしてくるんですよ。インタラの設定を知るとまたそれだけで自分の中の解釈が変動する。
具体的な話をするなら、あの一曲目の物語の始まりを象徴する雰囲気から『幽霊船』への緩急の変化はワクワクしますし、『華の影』の重厚でシリアスな情景もかなり好き。
『盗人ザリネロ』で室内から外を見張るイメージから『侵入者』で窓に礫が投げ込まれて光が射し込むように、曲調も未明から朝焼けへと明度が展開しているような感覚すら覚える。
全体の流れから最後にあの『空転G』というのがまた歌詞の内容も相まって何とも言えない気分になる。日頃の鬱憤や身の上の不遇をネタに"神"をディスる歌なら掃き捨てるほどあるが、この曲はどこか嘆きや呆れを抱えながらも達観しているような、そんな芯の強さみたいなものをいつも感じますね。