「乖離想生」は僕の初めて買ったkaolingさんアルバムでした。
ニコニコ動画にてその尊い音楽と巡り会い、一聴惚れした音を今後CDクオリティで聴ける幸せはやっぱり別格ですよねー。
また、今回のアルバムにはニコニコ動画に公開した曲、ニコニコ動画に公開した曲の別ボーカル版、別アルバム「七つの記憶を失くした世界」に含まれた曲のボーカル版、そして新曲をも含まれている、とても豪華なものとなっています。
使用VOCALOIDが多いほど、世界観も広くなっていくような感じです。
とてもkaolingさんらしく、ワールドミュージックテイストな、おなじみの民族調ものです。
そして如何にもkaolingさんらしく、今回も理不尽と痛み、哀しみと歪みなど人の不幸を謳い叫んでくれるパワフルな内容です。
是非注目して欲しい曲は「朱の少女」「The Lady He Loves」「FREYJA.sys(ver.MIKU)」「雨の庭」の四つです。
まず、「朱の少女」とはGUMIボーカルの、「見えない黒に堕ちてゆけ」よろしくのテンポの速い曲となっており、歌詞は恋人と子供を亡くした人の嘆きを描いています。
個人的に聴いていると力強きメロディラインと楽器の激しい音は急き立てられるような感情を惹き出してくれます。
この曲はコンセプトアルバム「アストロロギアの十二の刻印」にも含まれており、牡羊座をモチーフにしているそうです。
次に、「The Lady He Loves」はまさかのOLIVERボーカルの英語の歌です。なんと。ブックレットに日本語訳も載っています。
僕は英語が母語ですので歌詞はそこここ微妙にぎこちなく聞こえてはいますが(イントネーション的な意味で)、それでもすごく感激的で衝撃的なインパクトでした。
穏やかなテンポ、生の楽器そして突然に歌いだす生ボーカルに鳥肌が立って、初めて聴いた時はなんだか知らないうちに涙まで浮かべてきたんです。
そして「FREYJA.sys(ver.MIKU)」はあのCUL&GUMI神曲「FREYJA.sys~システム・フレイヤ~」のメインボーカルを初音ミクに変化した新バージョンになっています。
正直を言うと、この一曲のためにこのアルバムを買ったと思ってもいいくらいです。
ある女神さまを讃えている歌詞はkaolingさんに珍しく前向き(?)で切なく尊い、なんとなく「全力で生きている」という感じを伝えてくれます。羽ばたくフライヤさまは今日も奔放で元気です、みたいな。
ミクさんの歌声で聴けるようになってなおさらです。歌っているVOCALOIDが違うとやっぱり曲の感じもすこし変わってきますが、むしろそれこそがおいしいです。もっと色んなFREYA.sysを聴きたいな~、この先のアルバムとかにCUL&GUMI版も含まれるといいな~、両版も高質に聴けるように~とか。いやミクさん版が存在してるだけですごくうれしいです!これ以上を望むのがきっとわがままになっちゃいますよね。
上記に書いたとおり、初めてアルバムを聴いていた時は6番目の曲「The Lady He Loves」で不思議な雨(=涙)がぽろぽろといつの間にか頬をぬらしてきたが、この7番目の曲で完全に泣き崩れました。べそかいて泣きじゃくったのです。胸を張って認めます!!←
最後に「雨の庭」とはIAボーカルで、上の曲等とはまた異色のものとなっています。
「共依存」がテーマで、落ち着いたテンポとノイズまで入った、神秘的で切なくて怖い、孤独感に満ちたナンバーです。
「歪んだ愛情」「狂った愛情」をテーマにしたkaolingさん曲といえば、1stアルバムに含まれている「堕ちた私の手を引いて」ですよね。
ですが「雨の庭」は優しげなメロディのその曲と違って、ロマンチック度が大分下がっています。その代わりに苦しさ、不幸、そして恐怖までをきちんと描いています。共依存って健在的な関係ではないんですし。
歌詞のセンスが恐ろしいくらいぴったりで、個人的に「そして君は 虚ろな瞳でさ ひとつの歌だけ 歌おうとしてた」のところがぞくってきます。すごくいいです。
この曲はそのままニコニコ動画に公開されていますので、このアルバムを買おうかどうか迷い、まだ聴いたことのない方は是非是非聴きに行くべきと思います。
以上色々個人的な思いを語らせていただきました。
長々&乱文、失礼しました。
kaolingさんの音楽がすこく好きなわけで、そのチャンスがあれば是非このアルバムや他の作品を買ってください!、と言いたいです。
全力で応援しています。
完全に五つ星です。あげられたら10☆をあげたかったんです!(笑)