楽曲ひとつひとつを評価していくのはまだしも、音楽アルバムの総評を星というかたちで表すのはとても難しいことだと私は思う。
なのでここからは耳に残った曲についての主観的な感想、考察だらけとなってしまうが許して欲しい。
なお書き切れないので、初回特典のost収録曲は除かせてもらう。
まずは『DIRTY WORKER』。このOSTの素晴らしいところは、本編で流れていない前奏から間奏まで全て収録されているということだろう。音楽CDとしては当たり前だが、サウンドトラックとなっては話は別。
"ゲーム本編で流れているBGM"で終わらせず、ひとつの楽曲として完成している。タイトルのDIRTYWORKERは傭兵のみでなく運び屋(ストーカー)のことを指しているのではないだろうか。
歪んだギターと対称的な美しいストリングスが印象的だ。
『A PHOTOGRAPH OF THE CUT』、Vの重厚なサウンドを引き続き使用しているこの曲は、本編で聞くよりもCDで聞くとさらに、荒廃した世界感を感じ取ることができるのではないだろうか。関係ないが、Vつながりということで、前作の名曲『Lament Over the Howling Age』はぜひ今作でも使用してほしかった。VDにエンドロールがあるとするならば間違いなく私は『Lament Over the Howling Age』を推すだろう。
『SIRIUS EXECUTIVES』、三大勢力シリウスに属している際のチームロビーで聞くこの曲。
Solar ray again be back from safe ground again. というこの歌詞,ACVDのみでなくACシリーズ全般を表している、直結かつ深い歌詞だと思うのだがどうだろう。
次に、『BLUE MAGNORIA』。この曲は個人的にVDのメインテーマと言えるほど印象深い。戦火にとりつかれた彼女への壮大かつ儚い賛美歌であり鎮魂歌、素晴らしいの一言。
その次に収録されている『DEMOLITION』は、『ON THE LAND OF BARKING SMELL』と並び、殺し合いのテーマのように聞こえる。
戦場でのこの曲を聴くと一気にアドレナリンが沸いてくるからだ。うまく言葉にできないが、ランナーズハイという現象に一番近いかもしれない。BPMの高いアップテンポなこの曲は明るい狂気、爽やかな絶望、[戦場中毒]という言葉がしっくりくる、そんな曲に聞こえる。
そして『The Mother Will Comes Again』。この曲はもう言葉では語れない。forAnswerプレイ済みのリンクスには是非フルで聞いて欲しい。
ここからdisc2,『PROGRAMING IS UNCONTROLED』。ACシリーズお馴染みのテーマ、[旧文明の遺産]をよく音楽で表しているなぁと感服した。この淡々とした不気味さはまさに失われた技術にぴったりだろう。
『Device』,この曲は名曲。何度も戦場で聞いているが、やはりこの曲はCDでしっかりフルで聞いて欲しい。アップテンポなのだが決して明るくなく物悲しい、前作でいう『In A Day』と先に書いた『Lament Over the Howling Age』を受け継いでいるイメージ。
『Lament Over the Howling Age』が死地へ向かう途中だとすればこの曲は死地に辿り着き戦争が始まり傭兵が死んでいく、そんな情景が浮かび上がるのは私だけだろうか。
長くなってしまったが最後に『MECHANIZED MEMORIES』。ラスボス戦で使われたこの曲はフルで聞くとfaのRemember-on your memories-と重なる部分が多くさらにラスボスの容姿、性能に加え、元の曲のタイトルの和訳。
これは伏線というわけではないが結果として繋がっている。フロム脳の考察癖を助ける材料としては十分だろう。
まだまだ書き足りないが、このあたりで終わりとさせていただく。
拙い感想を並べただけの稚拙なレビューとなってしまったが、このサウンドトラックにはフルで聞いて欲しい曲が多々含まれている。
それだけが伝わってくれれば書いた甲斐があるというものだ。