nano.RIPEは過去2枚のアルバムを出していますが、
今回3枚目のアルバム「涙の落ちる速度」は、完成度が半端ないです。
時間をかけ、細やかに、そして、大胆に制作されています。
初回版A,B,通常版の3タイプのアルバムがリリースされていますが、
やはり、3枚組45曲入りを選んで、正解でした。
特に、3枚目は、現在入手困難なものを含むアコースティックアレンジメドレーです。
全てを聴くと、優に3時間を超えます。
初めての方は、1枚盤でもnano.RIPEの触りを感じることができると思いますが、
3枚で1セットで、nano.RIPEらしさを演出しているというカラーがあります。
なんといっても、自宅でライブハウス気分を味わうことができる、
というのは何事にも代えがたい満足感ですよ。
vo.きみコさんの印象的な歌声や疾走感のある曲調に目が向きがちですが、
是非、詞にも注目してください。
じっくりと歌詞を聞き、その世界をイメージしていると、
ココロに突き刺さるものを感じるはずです。
だれしもが日々ココロに抱えている感情を、
美しい情景や物語の中に乗せ、曲を展開し、勇気や元気を与えてくれるのです。
バクマン。「もしもの話」、劇場版花咲くいろは「影踏み」、
はたらく魔王さま「月花」、のんのんびより「なないろびより」等
アニソンの名曲のみならず、
ライブハウスを中心としたツアーバンドとして制作した
朱玉の名曲がラインアップされています。
特に、お薦めは、今回のリードトラックである、「ハロー」です。
挨拶のhelloと、「月の暈」のhaloの両方を意味しているようです。
サビの部分で涙が零れそうになります。
さらに、ひとつひとつの曲が秀逸であるにとどまらず、
アルバム全体も緻密に構成されており、一貫した流れを生み出しています。
絵本を開くような味わいをCDで感じることのできるアルバムです。
疲れたとき、落ち込んだとき、もうだめだと絶望したとき、
勇気をもらえる、優しい気持ちになる曲が盛りだくさんです。
長文失礼しました。