格ゲーをこよなく下手に横好いている者です。
本作は発売こそギルティギアやBLAZBLUEでお馴染みのアークシステムワークスですが、開発はかつてアーケードに名を馳せた同人格ゲー「MELTY BLOOD(以下メルブラ)」の会社であるフランスパンによって行われています。
そのためかゲームシステム的には、メルブラを基にしてBBやP4U等の要素を取り入れている感じの作りになっています。
本作のウリはなんといっても、格ゲーの醍醐味である「攻守の駆け引き」に重きを置いた対戦を他格ゲー以上に楽しめる部分にあります。
本作独自のシステム「GRDゲージ」は攻めの行動をすると増え、逆に守りの行動をすると減るといったものであり、このゲージの管理が勝敗を大きく左右します。
そのため、昨今の格ゲーで見られがちな「有利技を撒いて逃げ回り、一度引っかかったら一転してセットプレイに持ち込む」といった戦法が必ずしも有効とは限らないようになっているのがいい所であるといえます。
かといって「ガン攻め」が必ずしも有効択ではありません。
本作は切り返し技(所謂「昇竜」)が強力な性能に設定されていることが殆どであり、その辺りから読み合いが生まれるゲーム設計となっています。
キャラクターバランスに関しては、個人的には「強・中堅・弱」で分かれていると思います。
強に位置するのは割と一般的な挙動を持ちながらもリーチの長い技を繰り出すことの出来る、ゴルドーやメルカヴァといったキャラクター。
逆に弱に位置するのは、とにかくリーチ不足を補う手段が乏しい、アカツキやケイアスといったキャラクター。
それ以外は大体中堅で並んでいるのではと感じました。
オンラインモードは、BLAZBLUEやP4Uで慣らしたアークだけあって、これといった不具合もなくプレイできて非常に快適です。
強さを表すRIPは思った以上に大きく上下するような数値なので、そのプレイヤーの強さの指針となるのはそれよりもむしろネットワークカラーの方が参考になるであろうと思います。
また昨今の格ゲーにしては珍しく、DLCの類が今のところ(2014.9.15現在)存在しません。
ゲーム内通貨だけでゲーム中の追加アイテムを入手することが出来るのは大きいかと。
ただ本作の賛否が分かれる点として個人的に思う所としましては、とにかく「恐ろしいまでの中二濃度を誇るゲーム」であること。
その濃さは、同じように「狙って中二ゲーに仕立て上げた」はずのBLAZBLUEシリーズを遙かに上回るほど。
あちら以上に「その辺」を狙って作られたキャラクター群やその設定・台詞回しは、正直な所かなり人を選ぶものであります。人によっては寒気が止まらなくなるかも…。
格ゲーとしては間違いなく面白い作品なのですが、その辺りに抵抗がある人には面と向かって勧め辛いゲームであると思われます。