数百万人の犠牲者が眠る大地から生まれた人形たちが光と闇の歴史を語り始める。
僕だけが生き残った――本当の物語を語り継ぐために
世界の映画祭で絶賛!
第66回 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 グランプリ受賞
第86回 アカデミー賞 外国語映画賞 ノミネート
第38回 トロント国際映画祭 正式出品
第51回 ニューヨーク映画祭 正式出品
●発売・販売元
マクザム
●規格
カラー/16:9 ビスタ/片面1層/本編 95分+特典 約3分/字幕:1.日本語字幕/音声:1.オリジナル フランス語〈ドルビー・デジタル・5.1chサラウンド〉 特典:日本版劇場予告編
●原題
L'image manquante(英題:The Missing Picture)
●製作年・国
2013年・カンボジア/フランス
●権利元
(C)CDP/ARTE France/Bophana Production 2013-All rights reserved
●解説
数多の犠牲者たちが葬られた大地―その土から作られた人形たちが、35年前の虐殺の成り行きを語り始める。闇に葬られたクメール・ルージュの悪夢、その狂気の実像を白日の下にさらす渾身のドキュメンタリー! 映画監督リティ・パニュは、幼少期にポル・ポト率いるクメール・ルージュによる粛清で最愛の父母や友人たちを失った。クメール・ルージュの支配の下、数百万人の市民が虐殺され、カンボジア文化華やかなりし時代の写真や映像はすべて破棄された。奇跡的に収容所を脱出し、映画監督になったリティ・パニュは「記憶は再生されるのか」というテーマを追求し、あの忌まわしい体験をいまに伝えることを自らに課してきた。フィクション、ドキュメンタリーというジャンルを問わず、多くの作品でカンボジアの悲劇を描いてきた彼は最新作『消えた画 クメール・ルージュの真実』において、当時13歳の少年だった監督自身の過酷な体験を“土人形"に託して描くという、一風変わった手法を採っている。本作は、カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉で上映され、グランプリを獲得。また、カンボジア映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるという栄誉に浴した。日本公開時は、衝撃作『アクト・オブ・キリング』に劣らぬ注目を集め、話題をさらった。 虐殺の犠牲者たちが眠る大地から生まれた土人形は、何を物語るのか。発掘された映像や写真は、如何なる悲劇を紐解くのか。世界がディスコや『スター・ウォーズ』に夢中になっていたとき、カンボジアでは一体何が起きていたのか―13歳でクメール・ルージュの大虐殺から生き延びた少年が直面した光景を、あなたは目撃する。
●推薦コメント
『アクト・オブ・キリング』はインドネシアで共産主義者を虐殺した側の「演劇療法」だったが、これはカンボジアで共産主義に虐殺された側の「箱庭療法」だ。人民の血を吸った土人形で取り戻そうとする失われた少年時代が胸に迫る。――町山智浩(映画評論家)
観始めてすぐ、今度はこうきたかと唸る。生涯を通してカンボジアの虐殺を問い続けるリティ・パニュは、同時にまた映像を駆使する詩人でもある。情報を極限までに削られた映像は、だからこそ饒舌に語り続ける。人形たちの表情はみな哀しい。ここには追悼と憎悪と赦しのすべてがある。――森達也(作家・映画監督)