これで、ゲルギエフのストラヴィンスキーの3大バレエが揃いました。長かったですね、私にとっては…
オーケストラは平和を祈念するオーケストラで何年かに一回程度で集まるスペシャルオーケストラなので、果たしてこのオーケストラでストラヴィンスキーというか、ゲルギエフのストラヴィンスキー色に染められるのか少し不安でしたが、そこはやはりゲルギエフ。最初から、ゲルギエフはロシア色に染め上げてきました。ゲルギエフのカリスマ性がなせる技だと私は最低限感じます。
最初から最後まで息つかせぬ名演で、ペトルシューカの魅力を存分に引き出せており、弱音部での美しさや競争部でのゲルギエフ独特の心地よい荒々しさはまさにロシア的アプローチだなと。何しろ、音楽に躍動感があり、目の前で劇をやっているのでは!と錯覚さえするほどです。ペトルシューカが正に目の前に居ました。終演後のブラボーの嵐がこの演奏の出来を語っているような気がします。
ゲルギエフは生で聴いても感じたのですが、音楽を生き生きと躍動感を伴いながら鳴ってるんですよね。これは本当に感心します。
他には、メンデルスゾーンやドビュッシーが収録されてるのですが、これはショルティがこのオーケストラにはこの曲があってるのでは?と選曲した曲らしく、その意味が私にも少しわかりました。このオーケストラはどこまでも透明で特にドビュッーシーの不思議なオーケストレーションを再現するにはうってつけのような気がしました。