![Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2015年 11/17 号 [大統領選に異常あり]](https://m.media-amazon.com/images/I/513CK+0gJDL._SY445_SX342_.jpg)
特集：「大統領選に異常あり」外国人記者による大統領選の現状解説と候補の顔ぶれ。
・過激な発言やスキャンダルの追求と非難の応酬、それに伴う各候補の激しい浮沈の様子など、アメリカ大統領選に向けて共和党と民主党それぞれの公開討論の様子が日本にも伝えられている。記事は現在アメリカにおける大統領選の潮流を伝える、伝統的な支持層と候補のキャラクター像には変化がみられ、国民はメディアが煽る極端な党派対立に陥っている。物議を醸すような過激な主張であってもそれが受け入れられる背景には、既存の体制やエリートへの不信 / 反発する感情が存在する。共和党6名、民主党2名の来歴と戦いぶりなどを紹介、記事は全て外国人記者によるもの。
・エジプトでのロシア機墜落。テロの可能性とこれまでシリアやイラクなど一部地域に限定されてきた脅威はより大規模で国際的なものとなる懸念を伝える、その後ロシアは自国民へ帰国を呼び掛け事件はテロであることを認めた。別記事ではずさんであったと指摘されるエジプトの空港セキュリティと同国観光への打撃について。
・「難民に付け込む悪徳ビジネス」地中海を渡り欧州へ逃れる難民を利用した悪徳ビジネス、記事はイタリア・シチリア島を中心としてこれを展開する2つの勢力について記す。1つは難民を提供する側の広域な斡旋ネットワーク、言葉巧みに前払いと親族の監禁で追加のカネを要求、時に沈没事故も伝えられるような使い捨て前提の安全性の低い船が提供される。もう1つはマフィアの存在、政治と癒着して難民受け入れ施設の建設・運営を手掛け、施設で難民に支給される生活費もその収益源となっているという。政治家も巻き込んだ一連の腐敗と搾取は、難民受け入れのためのものでなく「汚職のためのシステム」と指摘される。
・「お手軽なDIY検査の使い方」身体に関する各種検査キットが一般に普及している。技術の進歩で様々な情報取得が容易になったが、得られる情報は知識をもとにした適切な判断があって初めて有効活用される。誤った知識ではむしろ害がもたらされることもあり重要なのは技術ではなく情報と知識であると医師は指摘する、またそれら機器には見落としがちな使用上の注意も存在する。
・MOVIES / 「帰ってきたヒトラー」の日本公開は未定だがドイツでは大人気、主役俳優や監督のコメントは自戒の念を感じさせる思慮深いもの。THEATER / 「ロッキー・ホラー・ショー」、R・オブライエンがミュージカルとトランスジェンダーである自身の半生を振り返る。
・ブッシュ父の伝記が刊行されたが、そこで長男ジョージ・W・ブッシュの側近がこきおろされていたことが話題になった。「IRON-ASSES(鉄ケツ野郎)」という造語で酷評された2人をW・ブッシュは庇い、チェイニー前副大統領はユーモアで返した。
・ロシアの女性がソーシャルメディアでウクライナ側の紛争報道にリンクを張ったところ、刑事告発されテロリストのリストに入れられた。当局によるオンラインコミュニティー統制の兆しと見られる。自分は11/3号レビューで迂闊にも「寛容かもしれないロシア当局」などと記してしまったが、全然寛容じゃない。
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