イエスのリレイヤーより前だという話は、ライナーに書いてはあるが、それはバンドについての話であって、
このアルバムの音についてとは思えない。
キーボードの音は明らかにリレイヤー以前のリック・ウェイクマンの音ではなく、リレイヤー時のものだ。
ヴァイオリンやハイハットの入れ方、4曲めのヴォーカルのジョン・ウェットン節等、どう聞いてもキング・クリムゾンも
「スターレス・アンド・バイブルブラック」以降だ。
本人も正確な録音データはあげてない。ライナーに書いてあることは憶測にすぎない。
ライナーには「圧倒的なオリジナリティ」とか書いてあるが、明らかにリレイヤー・イエスと後期キング・クリムゾンの
圧倒的な影響下におけるオリジナリティ。
そして、本家ほどの超絶的な演奏テクがない分、コード等がよりシンプルな分、ブリティッシュ・ロック的にも聞こえて、
メロディが平沢節のブリティッシュ・ロック的比較的聞きやすいプログレ、しかもそれぞれのフォロワーは多いが、
イエスとキング・クリムゾンの融合はめずらしいように思うし、また、4曲目のスライド・ギターは
シド・バレットのいたファースト・ピンク・フロイドよりもバカ派手に、まるでデビッド・ボウイの
「スペース・オディティ」で、引き出しの多さの組み合わせで非常に興味深く聞かせてくれる。