タイトル通り、どこか懐かしさを感じる歌の世界を中島愛が好演。
作詞の春行が描く、味わいのある「ありがとう」という当たり前の
言葉に込められた思いが、誰もが歩いてきた道の後ろに存在している
甘酸っぱい思い出を豊かに描き出す。子供時代の幼馴染だろうか、
何気ない、けれど宝物のような大切な人との思い出...決して遠い
リトグラフの中に閉じ込めるのでなく、いつの日も思い出すことが大切―、
切々と感情豊かに歌われるその思いに、よい曲であると素直に実感。
c/w4に収められた(Vocalなし)ピアノヴァージョンのメロディ自体も、
心の琴線に触れる切ない優しさとあたたかさを滲ませ聴き応えがある。
今回以前より、よりポップになった中島愛の歌声が定着してきたと
感じる。それは前作マキシで証明済みでもあるが、さらに味わいのある
楽曲も歌えるようになってきた頃の作品。その満を持した彼女が歌う、
リンミンメイ飯島真理「天使のメロディ」は、まさに感激もの。
飯島のオリジナルより、さらにポップなアレンジと爽やかな歌声で、
しかし当時感じた豊かな歌の魅力を余すところなく表現しており、
思わず共に口ずさんでしまう。やはりよい曲は、こうやって歌い継がれる
べきと実感。そしてさらにまめぐ歌声の魅力も同時に堪能できる良曲。