ブラジルのテクニカルメタルバンドの7th。
Angraの4年越しの新作は更にプログレッシブかつ
ミドルテンポの曲を中心に繰り広げた問題作となった。
セルフプロデュースなのか全体的に昔の音みたいに聞こえる。
そのせいで特にKikoのギターソロ、
アコースティックなインストパート全てがしょぼく感じる。
又、過去のAngraの偉業作を想像して聴くと
肩透かしを食らうことはまず間違いない。
そもそも評価が非常に難しいアルバムであり
前作同様好き嫌いのきっぱり分かれる作品である。
更に3rdまで在籍したRicard Confessoriが復帰している。
楽曲の方だがTr1〜Tr2「Viderunt Te Aquae〜Arising Thunder」は
いつもどおりのAngraの手法ではある。
テクニカルかつメロディアスであるのだが
アルバムの中で一番のクサメタル。というかダサイ。
Tr3Awake From Darknessはなんとも形容しがたいイントロで始まり
Eduの中音域が活きる洗練された疾走曲である。
Tr4Lease of Lifeはピアノの優しく揺られるかのような旋律に
これまた優しい語り聞かせのようなボーカルが乗る子守唄のような曲。
禁断の恋を歌った曲らしいけどそんなことを知らなくても
物凄く切ない気分になれる素晴らしいバラード。
Tr5The Rage of the Watersも面白い曲で
前作の音像とそっくりでありながら疾走部分がかつての
Rebirthを思い起こさせるような出来であったりと
非常に複雑な構成な曲ながら崩れることなく最後まで聴かせる。
Tr7HollowはまさにAngra流プログレといった感じで
前半の疾走パートもたまらなく良いのだが
中盤インストからソロを経てからのメロディがたまらなく良い。
前作でも感じたことだがベースのFelipe Andreoliは
プレイヤーとしてもそうだがソングライターとしても才能に溢れている。
彼らの作るメロスピ曲は良いがそれ以上に
本作で提示してきたものは高レベルである。
メロスピ好きにはきついアルバムかもしれない。(93点)