民主・自由・自立・台湾も含めた大統一・日中関係を5章立てで述べていく。
いずれも重要なテーマであるが、日本人からではいまひとつ中国人の考えが見えてこないテーマでもある。
著者は伝統思想の立場によりながら中国人の立場を考察していく。
毛沢東らを見る限り、人治や徳治といった考え方は現代中国を捉える上では非常に重要である。
ただ自由や自立に関するとらえ方は民主化への過渡期という段階を考えれば、そこまで伝統思想と関係してくるのであろうか、疑問がないわけでもない。
日中関係に関する部分は伝統思想よりも大戦後の問題ではないか。台湾のような華夷秩序を絡めていく必要はさほどないのではないかと思った。
中華人民共和国の政治と社会に関して精力的に考察していこうという意図は見えるが、少々大風呂敷を敷いた感がある。

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中華思想と現代中国 (集英社新書) 新書 – 2002/10/17
横山 宏章
(著)
21世紀、大きな存在となるであろう中華人民共和国。独自の近代化路線の底に流れる伝統的な思想にスポットをあて、わかりやすく論じ、一見複雑に見える大国の政治・経済の行方を展望する。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2002/10/17
- ISBN-104087201643
- ISBN-13978-4087201642
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2002/10/17)
- 発売日 : 2002/10/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4087201643
- ISBN-13 : 978-4087201642
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,042,618位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 332位中国のエリアスタディ
- - 952位政治史・比較政治
- - 1,604位集英社新書
- カスタマーレビュー:
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2005年6月7日に日本でレビュー済み
本書は、「徳治」「以夷制夷」「大一統」といった伝統的政治観念が現代中国の政治・社会・外交などに大きな影響を与えていることを説明し、中国がイメージする世界像と西欧的価値観との齟齬が、この国の勃興に伴って国際社会にさまざまな波紋を来す可能性を展望するものです。
全体として、たいへん平易で歯切れの良い語り口となっており、あたかも物知りオヤジが好き勝手に放談しているかの如き趣があります。一般向けの新書という性格もあってか、主張の論証には余り多くの紙幅を費やしてはいません。そのため些か乱暴に見えるところもあります。しかしながら、筆者は著名な民国史学者であり、民国や共和国における伝統的政治思想の影響について特に一家言ある方です。中国的なるものの本質や日中関係の行方を考えていく上で、本書の主張はけっこうポイントを衝いているのではないかと思います。
中国そのものに対する捉え方という点では、とにかく身勝手で困った国だけれども、周りの方で、それを前提にある程度尊重してあげるべき、というスタンスのようです。親中派からも嫌中派からも槍玉にあげられそうな微妙な主張ですが、現実論としてバランスがとれていると考えるのは小生だけでしょうか。
全体として、たいへん平易で歯切れの良い語り口となっており、あたかも物知りオヤジが好き勝手に放談しているかの如き趣があります。一般向けの新書という性格もあってか、主張の論証には余り多くの紙幅を費やしてはいません。そのため些か乱暴に見えるところもあります。しかしながら、筆者は著名な民国史学者であり、民国や共和国における伝統的政治思想の影響について特に一家言ある方です。中国的なるものの本質や日中関係の行方を考えていく上で、本書の主張はけっこうポイントを衝いているのではないかと思います。
中国そのものに対する捉え方という点では、とにかく身勝手で困った国だけれども、周りの方で、それを前提にある程度尊重してあげるべき、というスタンスのようです。親中派からも嫌中派からも槍玉にあげられそうな微妙な主張ですが、現実論としてバランスがとれていると考えるのは小生だけでしょうか。