目に見えづらい高校生の貧困の状況を描き出していただき感謝します。
この国は本当に若者たちを育み育てる気があるのかとさえ感じます。
一方でけなげに頑張る高校生たちにエールを送りたいですし、
この国の将来に明るさを見せてくれる気がする一方、
例えば子供のうちに子供が出来なくてアダルトチャイルドになるとか
そういった頑張ったがゆえの弊害も現れてこないか心配もしています。
私も微力ですが自分の周辺でできる事があれば少しでも何かさせていただきたく願っております。
取材に登場する一人一人が守られ祝福されますように祈り致します。
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高校生ワーキングプア:「見えない貧困」の真実 単行本(ソフトカバー) – 2018/2/16
NHKスペシャル取材班
(著)
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購入オプションとあわせ買い
日本の子どもの「7人に1人」が「貧困状態」。
働かなければ学べない。その実態に迫る!
学費のみならず、生活費を稼ぐためダブルワークは当たり前。
もらいものばかりの家では、親に代わりきょうだいの世話や
家事をこなす毎日。成績優秀でも学費が賄えず、多額の奨学金を
はじめ「多重債務」を背負う危険性も……。
最新ファッションにスマートフォン、一見すると、普通の彼らが
直面する「見えない貧困」の実態を炙り出す一冊。
はじめに
序章 働かなければ学べない
高校生が抱える悩み
『ワーキングプア』から10年
子どもの貧困が本格化している
日本の子どもが危ない
「高校生」が分水嶺になる理由
「いつまでも中流だと思いたい」団塊ジュニアの悲哀
第一章 家計のために働く高校生たち
「働くのは当たり前」
大黒柱になった女子高生
彼女が働く理由
「高校生ワーキングプア」のリアルな一日
自慢のお姉ちゃん
事故に遭う
それでも「家族を守りたい」
進学──夢への第一歩
第二章 奨学金という“借金"を背負って進学する高校生たち
高校で開かれる奨学金の説明会
生徒の6割が奨学金を申し込む
「奨学金は借金です」
2人に1人が奨学金を借りる時代
高卒求人の激減
手続きで浮かんだ「見えない貧困」
「奨学金が返せない」非正規労働で働く若者たち
奨学金=借金800万円を背負う
親には相談できない
入学金が払えない?
給付型奨学金が導入されても……
奨学金返済で結婚や出産ができない、ほか
第三章 アルバイトで家計を支える高校生たち
普通に見える高校生が……
生活費のために働く高校生が51%
「働くことが多くてしんどい」
アルバイトで成績が下がった
高校生の「生活困窮」に気づかない教師たち
貧困の再生産を繰り返させないために、ほか
第四章 「子どもの貧困」最前線を追う
子どもたちの「見えない貧困」
貧困を見せないようにする
もらいものに囲まれた生活
足りないものは何ですか?
見ようとしないと「見えない」
社会的損失40兆円の衝撃
「頑張らない自分のせい」=自己責任論
スマートフォンがライフライン
大人にさせられた子どもたち
子どもを守りたい親たちの苦しみ、ほか
第五章 「見えない貧困」を可視化する
貧困を可視化する大阪府の実態調査
子どもたちの剥奪指標
3つの欠如
調査から見えてきた「ひとり親家庭」の厳しさ
家事は子どもの仕事
新しい衣服や靴が買えない
「お母さんが好きだから」
子どもたちの声を潰さない社会に、ほか
おわりに
働かなければ学べない。その実態に迫る!
学費のみならず、生活費を稼ぐためダブルワークは当たり前。
もらいものばかりの家では、親に代わりきょうだいの世話や
家事をこなす毎日。成績優秀でも学費が賄えず、多額の奨学金を
はじめ「多重債務」を背負う危険性も……。
最新ファッションにスマートフォン、一見すると、普通の彼らが
直面する「見えない貧困」の実態を炙り出す一冊。
はじめに
序章 働かなければ学べない
高校生が抱える悩み
『ワーキングプア』から10年
子どもの貧困が本格化している
日本の子どもが危ない
「高校生」が分水嶺になる理由
「いつまでも中流だと思いたい」団塊ジュニアの悲哀
第一章 家計のために働く高校生たち
「働くのは当たり前」
大黒柱になった女子高生
彼女が働く理由
「高校生ワーキングプア」のリアルな一日
自慢のお姉ちゃん
事故に遭う
それでも「家族を守りたい」
進学──夢への第一歩
第二章 奨学金という“借金"を背負って進学する高校生たち
高校で開かれる奨学金の説明会
生徒の6割が奨学金を申し込む
「奨学金は借金です」
2人に1人が奨学金を借りる時代
高卒求人の激減
手続きで浮かんだ「見えない貧困」
「奨学金が返せない」非正規労働で働く若者たち
奨学金=借金800万円を背負う
親には相談できない
入学金が払えない?
給付型奨学金が導入されても……
奨学金返済で結婚や出産ができない、ほか
第三章 アルバイトで家計を支える高校生たち
普通に見える高校生が……
生活費のために働く高校生が51%
「働くことが多くてしんどい」
アルバイトで成績が下がった
高校生の「生活困窮」に気づかない教師たち
貧困の再生産を繰り返させないために、ほか
第四章 「子どもの貧困」最前線を追う
子どもたちの「見えない貧困」
貧困を見せないようにする
もらいものに囲まれた生活
足りないものは何ですか?
見ようとしないと「見えない」
社会的損失40兆円の衝撃
「頑張らない自分のせい」=自己責任論
スマートフォンがライフライン
大人にさせられた子どもたち
子どもを守りたい親たちの苦しみ、ほか
第五章 「見えない貧困」を可視化する
貧困を可視化する大阪府の実態調査
子どもたちの剥奪指標
3つの欠如
調査から見えてきた「ひとり親家庭」の厳しさ
家事は子どもの仕事
新しい衣服や靴が買えない
「お母さんが好きだから」
子どもたちの声を潰さない社会に、ほか
おわりに
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2018/2/16
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-10410405609X
- ISBN-13978-4104056095
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2018/2/16)
- 発売日 : 2018/2/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 224ページ
- ISBN-10 : 410405609X
- ISBN-13 : 978-4104056095
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 751,989位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 94,844位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
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2018年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
定時制の教諭をやっています。最近の傾向を見るとこの本の通り生徒の家庭の貧困化がものすごい勢い進んでいる事は確かです。
しかし、この本の書いているように「貧しくて孝子現る」のような生徒はそう多くないと思います。
むしろ、貧困家庭でメンタルも病み、半ば引きこもり働かず定時制に休みながら来る生徒のほうが圧倒的に多いです。
このような生徒がワーキングプアどころか、どのように卒業後生活していくんだろう思います。
一面的な見方かもしれませんがリッチで優秀で活力に満ちた生徒と貧しく低学力で無気力な生徒の二極分化が進んでいるように思います。
貧しいために無気力で低学力なのか無気力で低学力なのは貧しいためなのか分からないように思う。
NHKも貧しくても頑張っている生徒をインタビューしているようですが少し実態から離れているようにも思います。
たとえば奨学金を17万一杯まで借りる女子高校生の話があったが、成績がトップなのに何故私立大学なんだろうか。
国公立に行けば私学の半額の授業料で済むはず。また、収入によって減免措置も取られるはずです。
高校のレベルが書かれていなかったが底辺校じゃないのかと思う。(いくらなんでも奨学金の申請が60%は多い。レベルが低い高校ほど貧しい傾向が高い)
また、親切心で奨学金を勧める教諭は800万もの奨学金を借りたら月35000円ぐらいの返済を20年近くすることが理解できてるんだろうか。
結婚や出産等の平凡な生活が難しくなることが解っているのだろうかね。また親は保証人になるんだから知らないではすまないだろう思った。(親に説明しないの親子共々破産ということになるかもしれないのに)
銀行は「貸さないのも親切」という言葉がある。一時の感情に溺れ返済のめどが立たないほどの奨学金を借りることを勧めるのは子供の事を思っているんだろうか。取材班も感情移入せずルポして欲しかったですね。
また、確かに数年前は高校生の就職も悪かったが少子化進み、景気も良くなり現代は好調だ。だから就職が無いので進学という論法も田舎以外崩れていることも言いたい。
確かに新しい視点で高校生の貧困化を捉えた良書であることは間違いない。
しかし、この本の書いているように「貧しくて孝子現る」のような生徒はそう多くないと思います。
むしろ、貧困家庭でメンタルも病み、半ば引きこもり働かず定時制に休みながら来る生徒のほうが圧倒的に多いです。
このような生徒がワーキングプアどころか、どのように卒業後生活していくんだろう思います。
一面的な見方かもしれませんがリッチで優秀で活力に満ちた生徒と貧しく低学力で無気力な生徒の二極分化が進んでいるように思います。
貧しいために無気力で低学力なのか無気力で低学力なのは貧しいためなのか分からないように思う。
NHKも貧しくても頑張っている生徒をインタビューしているようですが少し実態から離れているようにも思います。
たとえば奨学金を17万一杯まで借りる女子高校生の話があったが、成績がトップなのに何故私立大学なんだろうか。
国公立に行けば私学の半額の授業料で済むはず。また、収入によって減免措置も取られるはずです。
高校のレベルが書かれていなかったが底辺校じゃないのかと思う。(いくらなんでも奨学金の申請が60%は多い。レベルが低い高校ほど貧しい傾向が高い)
また、親切心で奨学金を勧める教諭は800万もの奨学金を借りたら月35000円ぐらいの返済を20年近くすることが理解できてるんだろうか。
結婚や出産等の平凡な生活が難しくなることが解っているのだろうかね。また親は保証人になるんだから知らないではすまないだろう思った。(親に説明しないの親子共々破産ということになるかもしれないのに)
銀行は「貸さないのも親切」という言葉がある。一時の感情に溺れ返済のめどが立たないほどの奨学金を借りることを勧めるのは子供の事を思っているんだろうか。取材班も感情移入せずルポして欲しかったですね。
また、確かに数年前は高校生の就職も悪かったが少子化進み、景気も良くなり現代は好調だ。だから就職が無いので進学という論法も田舎以外崩れていることも言いたい。
確かに新しい視点で高校生の貧困化を捉えた良書であることは間違いない。
2019年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
取り上げられたのは、非常に前向きでエネルギーにあふれた、健気な高校生たち。
確かに可哀想だが、彼らの将来は明るい。
貧困の連鎖は起こらないだろう。
問題は、この本には取り上げられなかった、一般的な高校生、つまり怠惰な心や、遊びたいという、普通の若者が抱く感情を持った子供たちである。
彼らの未来は奪われている。普通の感情なのに。
確かに可哀想だが、彼らの将来は明るい。
貧困の連鎖は起こらないだろう。
問題は、この本には取り上げられなかった、一般的な高校生、つまり怠惰な心や、遊びたいという、普通の若者が抱く感情を持った子供たちである。
彼らの未来は奪われている。普通の感情なのに。
2018年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
勉強になりました。感動しました。
とても面白かったです。
また続編を期待します。
とても面白かったです。
また続編を期待します。
2018年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供の六人に一人が相対的貧困にいる日本の現状。子供達の声で知ることが出来、購入して良かった。自分は何が出来るか、問えるきっかけになった。
2019年2月25日に日本でレビュー済み
第一章優子さんの事例では、収入が少なくても家族が支え合えば幸せに暮らせることを示す好事例であった。
ただ最後に進学先としてCAになるための専門学校を選ばせたのは高校の社会教育不足だ。
CAの年収は年々低下しており、契約社員化が進んでいることから今後ますます低収入化が進む職業である。
運よくJALやANAに入社できたとしても、両社とも最初の3年間は契約社員扱いで、時給は1000~1200円くらいとバイト並みの水準である。
つまり正社員として働けるのは最速でも専門学校2年+契約社員3年の5年後であり、普通に大学に進学して就職した方がより早く安定収入が得られる。
しかもCAで契約社員から正社員になれる保障はなく、ずっと低時給の契約社員から抜け出せない可能性もある。
そのあたりの状況について、高校の進路指導で説明してあげなければ低収入の連鎖から逃れられない。
教師は大学に行かないのを残念がっている場合ではない。
裕福な家庭の子女が箔付けのためにCAになるならともかく、早く安定収入を得たい事情のある生徒にCAを目指させるのは不適切だしリスクが高すぎる。
そういった社会教育の不足が、問題の本質ではないか。
第二章真央さんの事例は、ひたむきに頑張る高校生の姿に感動を覚えた。
しかし高校のお金教育不足の感は否めない。
入学金+学費75万円を3月までに準備しなければと苦しむ。
複雑な玉突き融資でなんとかしようとしていたが、もっと簡単な方法がある。
消費者金融から1カ月だけ借りるのだ。
3月に親が消費者金融から75万借り、奨学金の振り込まれる4月に一括で返す。
消費者金融の年利は18%と高利だが、1カ月一括で返せば金利支払額は1万円程度ですむ。
中小企業の社長が手形や融資のつなぎでよくやる方法で、特に変なやり方ではない。
いざとなればそういうやり方があることを知っていれば、もう少し心の余裕を持てたのではないか。
また奨学金890万は多額のようにも見えるが、せっかく低利で借金できるチャンスなのだから借りられるだけ借りるという考え方はありだ。
ただし余剰分を銀行に預けるだけでは余分な利子負担が発生するだけでうまくない。
高校で資産運用について教えれば、逆にチャンスともなり得る。
真央さんの場合では月17万円の奨学金のうち、余剰分を将来のために積み立てるつもりとする。
これをノーロードのインデックスファンドで積み立てて運用すれば、奨学金の利子より高い運用益を得られる可能性が高い。
日本の投資信託はここ数年で大改善がなされ、信託報酬が0.1%台のファンドが出るなど資産運用大国アメリカの環境に近づきつつある。
これを高校で教えれば、高校生達の将来はかなり明るいものとなる。
「ネット証券で、信託報酬0.5%以下のインデックスファンドを、ノーロードで積み立てる」
これを知っているだけでも、人生の収支がガラリと変わる。
借金の考え方と方法、資産運用の考え方と方法、こういったお金教育の不足が、問題の一端ではないか。
第三章以降で紹介される、「アルバイトのために勉学がおろそかになる」のは由々しき問題だ。
特に試験期間中に強制的にシフトを入れられるなど、アルバイトの現場では立場の弱い高校生がいいように使われ被害者となる。
コンビニによる恵方巻強制買い取りなど、大人による子供たちからの搾取が問題の本質だ。
例えば高校生バイトユニオンのような組織を作って加入できるようにするなど、高校生を守る仕組み作りが急がれる。
また高校でも、労働者の権利や理不尽な扱いを受けた際の具体的な対応方法について教えるべきだと思う。
親の低収入という問題は、すぐに解決できるものではない。
しかし高校生たちに社会で生きるための実用的な知識を清濁併せて具体的に教えれば、本人たちが将来低収入に陥る可能性を減らせはする。
ただ高校の教師しかやったことのない教員では、すべてを教えるのは難しい。
そこで世の中の酸いも甘いも知り尽くした中小企業の社長や、金融屋などのお金のプロ、転職エージェントなど就職のプロなどが臨時講師となり、ざっくばらんに世の中の仕組みを教える人生授業のような場を作れないか。
高校OBや定年退職者など、理念を伝えれば無報酬でも応じてくれる人材は結構いると思う。
例えば私でもオファーがあれば喜んで生々しい話を色々伝えに行くだろう。
本書でも指摘があったが「貧困」という言葉の定義や解釈が人によって違い過ぎるのも問題の一端であろう。
もしかすると「貧困」という言葉を一切使わずに問題提起したら、また違う見方や反応が出てくるのかもしれない。
私の問題のとらえ方はNHK取材班と異なるので、本書には違和感を感じる記載も諸処あった。
「貧困」というレッテル貼りがいかに人の尊厳を傷つけるか。家族で助け合い明るく生きようと頑張っている人たちを、「どうすれば救えるか」などと上から目線で断ずることがいかに人を惨めな気持ちにさせるか。それが分からない間は、このNHK取材班は「貧困ポルノ」レベルを脱せないと思う。
それでも色々と考える材料を提供してくれる良書であったので☆5としたい。
取材執筆お疲れ様でした。
ただ最後に進学先としてCAになるための専門学校を選ばせたのは高校の社会教育不足だ。
CAの年収は年々低下しており、契約社員化が進んでいることから今後ますます低収入化が進む職業である。
運よくJALやANAに入社できたとしても、両社とも最初の3年間は契約社員扱いで、時給は1000~1200円くらいとバイト並みの水準である。
つまり正社員として働けるのは最速でも専門学校2年+契約社員3年の5年後であり、普通に大学に進学して就職した方がより早く安定収入が得られる。
しかもCAで契約社員から正社員になれる保障はなく、ずっと低時給の契約社員から抜け出せない可能性もある。
そのあたりの状況について、高校の進路指導で説明してあげなければ低収入の連鎖から逃れられない。
教師は大学に行かないのを残念がっている場合ではない。
裕福な家庭の子女が箔付けのためにCAになるならともかく、早く安定収入を得たい事情のある生徒にCAを目指させるのは不適切だしリスクが高すぎる。
そういった社会教育の不足が、問題の本質ではないか。
第二章真央さんの事例は、ひたむきに頑張る高校生の姿に感動を覚えた。
しかし高校のお金教育不足の感は否めない。
入学金+学費75万円を3月までに準備しなければと苦しむ。
複雑な玉突き融資でなんとかしようとしていたが、もっと簡単な方法がある。
消費者金融から1カ月だけ借りるのだ。
3月に親が消費者金融から75万借り、奨学金の振り込まれる4月に一括で返す。
消費者金融の年利は18%と高利だが、1カ月一括で返せば金利支払額は1万円程度ですむ。
中小企業の社長が手形や融資のつなぎでよくやる方法で、特に変なやり方ではない。
いざとなればそういうやり方があることを知っていれば、もう少し心の余裕を持てたのではないか。
また奨学金890万は多額のようにも見えるが、せっかく低利で借金できるチャンスなのだから借りられるだけ借りるという考え方はありだ。
ただし余剰分を銀行に預けるだけでは余分な利子負担が発生するだけでうまくない。
高校で資産運用について教えれば、逆にチャンスともなり得る。
真央さんの場合では月17万円の奨学金のうち、余剰分を将来のために積み立てるつもりとする。
これをノーロードのインデックスファンドで積み立てて運用すれば、奨学金の利子より高い運用益を得られる可能性が高い。
日本の投資信託はここ数年で大改善がなされ、信託報酬が0.1%台のファンドが出るなど資産運用大国アメリカの環境に近づきつつある。
これを高校で教えれば、高校生達の将来はかなり明るいものとなる。
「ネット証券で、信託報酬0.5%以下のインデックスファンドを、ノーロードで積み立てる」
これを知っているだけでも、人生の収支がガラリと変わる。
借金の考え方と方法、資産運用の考え方と方法、こういったお金教育の不足が、問題の一端ではないか。
第三章以降で紹介される、「アルバイトのために勉学がおろそかになる」のは由々しき問題だ。
特に試験期間中に強制的にシフトを入れられるなど、アルバイトの現場では立場の弱い高校生がいいように使われ被害者となる。
コンビニによる恵方巻強制買い取りなど、大人による子供たちからの搾取が問題の本質だ。
例えば高校生バイトユニオンのような組織を作って加入できるようにするなど、高校生を守る仕組み作りが急がれる。
また高校でも、労働者の権利や理不尽な扱いを受けた際の具体的な対応方法について教えるべきだと思う。
親の低収入という問題は、すぐに解決できるものではない。
しかし高校生たちに社会で生きるための実用的な知識を清濁併せて具体的に教えれば、本人たちが将来低収入に陥る可能性を減らせはする。
ただ高校の教師しかやったことのない教員では、すべてを教えるのは難しい。
そこで世の中の酸いも甘いも知り尽くした中小企業の社長や、金融屋などのお金のプロ、転職エージェントなど就職のプロなどが臨時講師となり、ざっくばらんに世の中の仕組みを教える人生授業のような場を作れないか。
高校OBや定年退職者など、理念を伝えれば無報酬でも応じてくれる人材は結構いると思う。
例えば私でもオファーがあれば喜んで生々しい話を色々伝えに行くだろう。
本書でも指摘があったが「貧困」という言葉の定義や解釈が人によって違い過ぎるのも問題の一端であろう。
もしかすると「貧困」という言葉を一切使わずに問題提起したら、また違う見方や反応が出てくるのかもしれない。
私の問題のとらえ方はNHK取材班と異なるので、本書には違和感を感じる記載も諸処あった。
「貧困」というレッテル貼りがいかに人の尊厳を傷つけるか。家族で助け合い明るく生きようと頑張っている人たちを、「どうすれば救えるか」などと上から目線で断ずることがいかに人を惨めな気持ちにさせるか。それが分からない間は、このNHK取材班は「貧困ポルノ」レベルを脱せないと思う。
それでも色々と考える材料を提供してくれる良書であったので☆5としたい。
取材執筆お疲れ様でした。
2021年5月23日に日本でレビュー済み
三十数年、私立高校の教員を生業にしており、勤務してきた二つの学校のいずれもが、たとえば現在勤めている学校のあるクラスはほぼ全員が生活保護家庭であったり、担任をしているクラスの生徒で片親家庭でない生徒が二桁になったことがないことであったり、まぁとかく社会経験がないと揶揄されがちな教師という職業ではありますが、それでもやはりそういった現実と不可避に向き合わざるを得ないわけで、なかなか考えさせられる一冊でした。
2019年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「高校生が労働して家計を支えるから家計全体としての貧困が見えない」という主旨。けなげに働いて無知な親を支える高校生ばかり取材しすぎだと思う。大多数はグレるケースでしょ?このあいだあるTV番組で東大生が「高校生がバイトすると生涯賃金の4000万円が失われる。」と計算していた。私自身もダブルワークの母の疲れ果てた姿を見て、小4から妹たちの面倒を含めすべての家事を担っていたが、幸い自力で大学に通ってリベンジできた「けなげな」子供のひとりである。でもこの問題は大人がなんとしなきゃいけないと心から思う。