強大な敵手‘七種族のヘトス’を欺きレジスタンス組織の惑星で偽装作戦を敢行するテラナーの活躍を描く大長編ＳＦスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第327巻。本巻の執筆者は、成長し続ける若手クナイフェルと信頼度抜群の中堅エーヴェルスです。惑星ホプトレク＝ハイクではラール人支配に抵抗するプロヴコナー種族のレジスタンス組織が活動していた。一方、惑星ヘトッサから誘拐を装い地球に帰還していたローダンは再び疑われずに敵地へ戻る為、偽装作戦を立案する。強敵に対するテラナー十八番の巧妙な作戦の首尾を見守りましょう。
『テラナーとレジスタンス』ハンス・クナイフェル著：テラナーと共闘するレジスタンスのリーダー、ロクティン＝パルが偽装作戦の舞台に選んだのは惑星ホプトレク＝ハイクであった。本編では未知の地下施設を舞台にイホ・トロト、パラディン、ミュータント達がローダンを助けて奮闘する冒険の途中で「トロトス！」「ローダノス！」と呼び合うハルト人流儀の尊称を聞けたのが私には嬉しく懐かしかったです。『月面脳ネーサン』H.G.エーヴェルス著：ローダンは七種族のヘトスから銀河系第一ヘトランへの就任を要請され止むを得ず受諾する。一方、アトランはテラナーから逃亡し、己の姿を変えて月面脳ネーサンをラール人から守る作戦に着手する。本編では本当に久々にア・ハイヌとロルヴィクの宇宙漫才コンビが復活します。「火星キリギリスシラミ！」という悪態に「火星には未だ嘗てキリギリスが生息した事はありません」と冷静に返す二人の息の合ったボケとツッコミに思わず「お帰りなさい」と労いたい気持ちになりました。
本巻の翻訳者を代表する林啓子氏のあとがきは１９９８年に長野オリンピックで通訳アシスタントを務められた時の記憶と現在を比べ感慨深く語られています。本巻では何と言ってもエーヴェルスの懐かしいユーモア感覚を再び堪能する事が出来て大満足でした。
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