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深海のパイロット (光文社新書) 新書 – 2003/7/17
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2003/7/17
- ISBN-104334032052
- ISBN-13978-4334032050
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
著者について
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1962年、東京都生まれ。埼玉県在住。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌の編集者や記者、映像ソフトのプロデューサー などをするかたわら小説を書き、1999年に『クリスタルサイレンス』(朝日ソノラマ)でデビュー。早川書房「ベストSF1999」国内篇1位となる。現 在はフリーランスの立場で小説のほか科学関係の記事やノンフィクションなどを執筆している。家族は妻と息子およびリクガメ1匹。
スキュー バダイビングを始めたことがきっかけで海にのめりこみ、会社を休職して3年間もアメリカの大学院に留学。東海岸のチェサピーク湾で大学の研究船や漁船に乗 り、網やドレッジで魚や蟹、貝などを獲る日々を送った。それらの獲物はもちろん研究材料だったが、貧乏な留学生の貴重な食糧源にもなった。修論はブルーク ラブという蟹(ガザミの一種)の生態に関する研究である。ブルークラブは「ソフトシェルクラブ」として、日本でも食べられるところは多い。
結 局、研究者の道へは進まずに復職し、真面目な勤め人生活を10年近く続けた後で脱サラした。金はなくなったが時間はできたので、機会をとらえては海洋研究 開発機構の様々な研究船に乗せていただいた。このうち海洋地球研究船「みらい」では1カ月近くも南極海を航海し、また有人潜水調査船「しんかい6500」 では水深1,500mの海底カルデラに潜航した。また広島大学の練習・調査船「豊潮丸」にも何度か同乗させていただいた。これらの体験は『深海のパイロッ ト』『ハイドゥナン』『鯨の王』『深海大戦』『辺境生物探訪記』といった作品に生かされている。今後も海を舞台にしたSFや冒険小説、歴史小説、ノンフィ クションなどを書いていきたいと考えている。
海以外では宇宙や生命科学、脳科学、民俗学などに強い興味を持っている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
もうその時点で☆5つに値すると思いました。
こんな内容のことは誰かが本として出版でもしてくれないと、一般人には知ることなんて絶対できないんですから!
深海調査船のパイロットは全世界で40人前後しかいないといいます(そのうち日本には20人前後もいるそうです)。
また、日本が持っている潜水調査船は「しんかい2000」と「しんかい6500」であり、この内しんかい2000の方は残念ながら予算がとれなくなり運航を休止しているようですが、しんかい6500は世界で最も深く潜れる調査船です。その名の通り、6500メートルまで潜れるそうです(4000メートル以上潜れる調査船は世界に五隻しかないのに!)。
このように、日本は深海探査において世界をリードする立場であるのにも関わらず、一般の日本人は深海探査について全く知りません。
その原因は深海探査についての一般向けの本がほぼ皆無だからだと著者は書いています。
そのため「深海へ人が行くということの、わくわくするような面白さや素晴らしさを改めて多くの人に伝えたい」と思ったことが本書を出そうと思った主な動機だそうです。
実際に、本書を読むとわくわくすること必至!
著者は3人いて、その中には元パイロットの方や学者の方もいるので色んな面からの話が読めますよ。
もちろん現役のパイロットの方の話もたくさんでてきます。
めちゃくちゃ面白かった!
深海探査に興味がある方は絶対にオススメできます。
ただし新書にも係わらず、しんかい2000/6500の潜航の話に加えて飽和潜水の話題があったり、学術成果の話があったりして、貴重な潜航の記録を期待して買うと編集方針がいまひとつ★★★。
海洋探査について日本政府の力が明らかに抜けてきていることが良くわかる。国として有人潜航艇は二つあるべきではないかと思うが、しんかい2000は事実上運航終了。
船体の設計について運用の経験の反映が少ないのは技術継承として気になるところだ。最初から6K(6500)のマニュピレータが操縦者に受け入れられないものだったり(p.49)、あいも変わらず主プロペラがついていたり(p.168)。6Kのおでこも相当に大きいけど、あれだって本当はレイアウトは変更できるんじゃないだろうか。
有人対無人の論争は宇宙開発でもある。残念ながら本書での意見は予算を取れるだけの説得性のあるものとは思われない。「限られた人しか行けない」というところを突破する必要があるのではないだろうか。しんかい6500より、しんかい2000より、しんかい1000で20人乗りはどうだというような広い議論を含む編集が欲しかった。
深海に興味のある人はもちろん、興味のない人でも十分楽しんで読めます。SMAPの草'gくんが出演した「日本沈没」内のモデルとなった『わだつみ』と言えばご存知の方もいるのでは。JAMSTECとはその深海調査船を所有している独立行政法人です。
初期のパイロットがどのようにして選ばれたか、又 そのパイロットに耐圧試験(?)があったというのも面白い。
この本の執筆当時、宇宙飛行士が日本で8人世界中で280人以上、深海調査船のパイロットは日本20人程度世界で40人前後とは驚きました。
今まで知らなかった深海の世界と深海のパイロットの事に少しでも興味がありましたら読んでみる価値大の一冊です。
前半は科学ジャーナリストの藤崎慎吾さんが担当。パイロットの田代省三さん、深海研究者の藤岡喚太郎さんが残り1/4ずつを執筆している。
メインは船の操縦、パイロットの訓練、船の開発の歴史、潜水時のエピソード。深海生物、地質学的調査などにはあまり触れられていない。
パイロットたちが、意外にゆるくていい加減な世界を形成しているのがおもしろい。もちろんまじめにやってはいるのだが、操縦には規律よりも機転・工夫が重要なようで、職人的な気風がある。事故や失敗をうまく切り抜けたり。
また、当時「しんかい2000」が資金難で運用停止になっており、いかに日本の調査船が役に立ち、世界的発見を成し遂げたかも書かれている。
知られざる世界であり、興味深かった。
本書では,そういった状況に風穴を開けてくれることを期待したくなるような,数多くの興味深い話が語られている.深海調査船の元パイロットや深海調査で活躍した科学者らの実体験談にはすごい臨場感がある.日本海溝の底で「スーパーのビニール袋」がたくさん見つかったという話には,人間活動が影響を及ぼしている範囲の広漠さに,慄然とさせられた.また,わが国の深海研究・開発史も楽しめる.
ぜひ,広く読まれて欲しい一冊なので5点.
未知の世界に挑む人々の挑戦は、スマートではなくても、とてもカッコイイ。
日本は海に囲まれた国で、とくに深い海溝を間近にもちながら、米国他に深海探査の面でかなり遅れを取っていました。
しかし、それら先を行く国々にまけじと しんかい2000を開発しました。
まだ日本では誰も行ったことのない深海探査に、しんかい2000はいろいろ試行錯誤、苦心惨憺しながら それでも数々の成果を挙げてゆきます。
そして本命であるしんかい6500を開発して、さらなる実績をあげ、やがては諸外国の深海探査チームの信頼を得て、共同で世界の未知の海底領域を探査するようになるところなど、やはり胸が熱くなります。
これらの人々の努力によって、世界のトップレベルにまでなった日本の深海探査ですが、現在予算の削減によって、その活動を縮小されようとしているようですが、なんとかしてこういった活動は続けて欲しいと思います。
他の潜水艇やチームとのライバル意識とか、マニピュレータの更新など「しんかい」が成長していくさまとか、髪の毛一本挟まっただけで大変なことになるハッチを閉める描写とか、トイレの問題とか、初めて暴露された話題が相当盛り込まれている。
藤崎慎吾が取材したからここまで掘り下げられ、関係者も内情をさらけ出したといえる。
また、有人潜水船vs.無人機の論争も興味深い。有人潜水艇をとりまく環境がこれほど各国でも厳しいとは。毛利さん曰く、無人機は周囲情報をいったんフィルタをかけていることになるとのこと。本書を読めば、人間が現場の雰囲気を感じ取り、勘を発揮することの重要さがひしひしと伝わってくる。