暴力的でぶっ飛んでいて、社会の規範を容易に飛び越える正常ではない読者が望む方面のエロ本編集者がここにはいる。
数名の、おそらく何人かをまとめて煮詰めた集合体であるエロ本編集者の男達を順に紹介するのが表題作である。
また、もう一作同じ方向性でかかれた短編が一作という構成になっている。（単行本の構成）
確かに、性的なタガの外れている人間が集い、規則の抜け道を這うように進む仕事であるからこそ、
社会的なイメージは、このような男達が闊歩しているように思えるのだろう。
官能的な描写は控えめながら、純文や小説への思いが溢れている。
そこが生臭くもあり、作者の私小説としても読まれることを想定している構成になっている。
パイロットフィッシュの綺麗に装飾された物語とは違い、ここは男性本位の世界観を生のまま提示してくる。
それでも、ロマンチストな男のサガを織り込んでくるのは、男はそういう生き物であると言うしかないか。
ある特異な職業をのぞき見るのには面白いが、ぶつ切りの人物紹介で終わってしまい、大きな本筋が薄いのが物足りなかった。
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