油断すると「意味」に拘泥し、あるセンテンスに対してメビウスの輪に陥るか、
ひたすら遡って読み直すことになる。これではちっとも先へ進めないし、読了す
る前に放擲するかも知れない。
それは嫌だから、字面を追うだけというリスクを背負って、とにかく文章の流れ
にシンクロしようと努めた。うまくリズムに乗れると、分かる&分からないの判
断を超越したところに広がる世界の呼吸みたいなものが身体的につかめて、得も
言われぬ読書体験を楽しむことができた。
ただし、3章ぐらい続けて読むと脳と身体がオーバーヒートして、字面を追うこ
とすら困難になるので、続きは翌日しっくりと読むことにした。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
アルゴールの城にて (白水Uブックス 79 小説のシュルレアリスム) 新書 – 1989/5/1
1939年に現われたグラックの処女作である本書は、中世の聖杯伝説や近代の暗黒小説、ドイツ浪漫派などの伝統とシュルレアリスムとの確乎たる結合をはたして、ブルトンの絶讃を博したものであり、一見したところガラスのような透明な文章の下に、情熱と夢想、欲望と呪縛を隠しもつ戦慄的作品。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日1989/5/1
- ISBN-104560070792
- ISBN-13978-4560070796
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 白水社 (1989/5/1)
- 発売日 : 1989/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4560070792
- ISBN-13 : 978-4560070796
- Amazon 売れ筋ランキング: - 868,192位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 358位白水Uブックス
- - 1,362位フランス文学研究
- - 1,381位フランス文学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年10月15日に日本でレビュー済み
2010年5月13日に日本でレビュー済み
読む者に夢幻感とある種の戦慄を与える作品。アルゴールと言う城を手に入れた青年アルベールと城を訪れた友人のエルミニアン、そしてエルミニアンが連れて来たハイデと言う娘が織り成す悲劇を幻想的に綴ったもの。倉橋由美子氏は本作を能になぞらえている程で、舞台設定、様式美を意識して独自の世界を築いている。卑俗な男女の三角関係を描いたものではない。
細かい心理描写や状況説明を排して、アルゴール城を舞台に神話的物語が繰り広げられる。アルゴールと言う城に入場した読者に対する舞台劇と言った趣きである。物語の解釈は読者にまかされており、全てがアルベールの妄想と取っても良いし、ある種のギリシャ悲劇を注釈抜きに文書化したものとも取れる。アルゴール城は神殿であり、ハイデは妖精・女神かもしれない。魔女かもしれないが...。また、エルミニアンはアルベールのドッペルゲンガーとの説もあるようである。小説とは何かを考えさせる作品でもある。
日本には無いタイプの小説で、正直驚いた。単にシュルレアリスムと言う枠を越えた作品で、新鮮味と幻想味を堪能した。
細かい心理描写や状況説明を排して、アルゴール城を舞台に神話的物語が繰り広げられる。アルゴールと言う城に入場した読者に対する舞台劇と言った趣きである。物語の解釈は読者にまかされており、全てがアルベールの妄想と取っても良いし、ある種のギリシャ悲劇を注釈抜きに文書化したものとも取れる。アルゴール城は神殿であり、ハイデは妖精・女神かもしれない。魔女かもしれないが...。また、エルミニアンはアルベールのドッペルゲンガーとの説もあるようである。小説とは何かを考えさせる作品でもある。
日本には無いタイプの小説で、正直驚いた。単にシュルレアリスムと言う枠を越えた作品で、新鮮味と幻想味を堪能した。
2004年11月10日に日本でレビュー済み
実は私はこの版ではなくワガママを言えば
青柳瑞穂氏版の翻訳を読みたい!と思っている。
その版が出たのが1956年なので、見つけるのが大変かも。
内容は美しいの一言。
幻想文学が好きな人には特にお勧めでしょう。
私はどちらも手もとにおいておきたい!
青柳瑞穂氏版の翻訳を読みたい!と思っている。
その版が出たのが1956年なので、見つけるのが大変かも。
内容は美しいの一言。
幻想文学が好きな人には特にお勧めでしょう。
私はどちらも手もとにおいておきたい!