「沖縄県人も知らない」のなら、一般的日本人が彼らの業績どころか、名前も知らないのも当然だろう。
本書に登場する三傑とは、松岡政保、トーマス・H・イゲ、そして當山久三である。「沖縄移民の父」と言われるのが當山で、移民二世にして経済学者になったのがイゲ、沖縄返還交渉のキーマンだったのが松岡である。
それぞれがどのような活躍と業績を残したかは本書でみていただくこととして、偶然の一致は三人とも沖縄の金武町出身であるという共通項がある。とくに沖縄返還に際しての松岡は沖縄行政長官(つまり知事)としてジョンソン大統領以下と接触し、また当時の佐藤栄作首相の沖縄訪問を実現させた。その松岡は15歳で単身渡米し、17年間米国で学んだという経歴がある。よほどのアメリカ通なのである。
アル・カポネが暗躍したシカゴでは三人の黒人暴漢に襲われたが、得意の武道で返り討ちにし、その武勇はひろく伝えられた。
返還交渉やその後の政治舞台で極左の脅迫にまったく怖れもせずに対応したのは、この武道護身への自信であり、いまのような左翼にへりくだる腰抜け沖縄政治家とは屋台骨が違った。
さて昭和十年代の沖縄は不況に喘いでいた。
「県民は沖縄を脱出するかのようにフィリピン、南米、南洋群島、ニューカレドニアなどへ移民に出発し、その数毎年二千名から四千」。
昭和十五年の調査で県民の一割が海外へ移住するという異常な時代だった。艱難辛苦を耐え、戦後沖縄政界で活躍した松岡は、返還後の沖縄電力の初代社長、その後、沖縄の繁栄を見届け平成元年に91歳で逝去した。
沖縄移民は、その後、三世の時代となった。現役の米陸軍大将も、ハワイ州知事も沖縄移民三世である。とくにナカソネ大将は国家安全保障局長である

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沖縄県民も知らない沖縄の偉人 日米の懸け橋となった男たち 単行本(ソフトカバー) – 2019/8/2
惠 隆之介
(著)
貧困と琉球王朝時代からの陋習(ろうしゅう)に苦しむ沖縄を救うため
アメリカに渡った男たちの闘いの記録!
本書は三人の沖縄県出身者の生涯を記した。
「沖縄移民の父」當山久三(とうやまきゅうぞう)、
移民二世でアジア太平洋地域の交流に尽くした米経済学者トーマス・H・イゲ(日本名・伊芸平八郎)、 沖縄の日本復帰の起点をつくった琉球政府第四代主席(知事)松岡政保(まつおかせいほ)である。
この三人はいずれも沖縄の金武町(きんちょう)の出身なのである。
(「はじめに」より)
【目次】
第1章 沖縄移民の父――當山久三
沖縄教育界の反逆児/田中正造と運命の出会い/金武移民軍団の形成/ハワイ上陸/沖縄に移民ブーム到来/日米紳士協定による移民制限/當山死す/不滅の金武町人魂
第2章 アジアとの交流に貢献した沖縄移民二世――トーマス・H・イゲ(伊芸平八郎/経済学博士)
英雄の名を冠した沖縄移民二世/金武小学校で過ごした一年間/真珠湾攻撃のニュース/米国民が驚嘆した日系人部隊の奮戦――第100歩兵大隊とMIS部隊/琉球大学卒業式での歴史的名スピーチ/新興アジアのために/ハワイ大学でアジア研究/英雄ダニエル・イノウエとの邂逅/靖国神社遊就館へ
第3章 沖縄返還交渉のキーマン――松岡政保(琉球政府第四代主席)
米国大統領に沖縄政策を提言した金武ヤンバラー/単身ハワイへ/李承晩設立の学校へ入学/工科大学で電気工学修士を取得/シカゴで暴漢三人と格闘/終戦直後の混乱/米軍政の開始/第四代琉球政府行政府主席に就任/日本政府と石油業界にケンカを売る/沖縄祖国復帰のキーマンとして/佐藤栄作総理の沖縄訪問/ジョンソン米大統領と会見/沖縄、日本復帰へ
【著者プロフィール】
[著者]惠 隆之介(めぐみ・りゅうのすけ)
作家、シンクタンク「沖縄・尖閣を守る実行委員会」代表
昭和29(1954)年沖縄コザ市生まれ。昭和53年防衛大学校管理学専攻コース卒業。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。昭和57年退官。その後、琉球銀行勤務。平成11(1999)年退職。以降、沖縄をベースに安全保障問題を主とするジャーナリズム活動に専念。積極的な執筆、講演等を展開している。
著書に『敵兵を救助せよ! 』(草思社)、『新・沖縄ノート 沖縄よ、甘えるな! 』(WAC)、『海の武士道DVD BOOK』(育鵬社)など多数。『昭和天皇の艦長』(産経新聞出版)は昭和天皇天覧。
アメリカに渡った男たちの闘いの記録!
本書は三人の沖縄県出身者の生涯を記した。
「沖縄移民の父」當山久三(とうやまきゅうぞう)、
移民二世でアジア太平洋地域の交流に尽くした米経済学者トーマス・H・イゲ(日本名・伊芸平八郎)、 沖縄の日本復帰の起点をつくった琉球政府第四代主席(知事)松岡政保(まつおかせいほ)である。
この三人はいずれも沖縄の金武町(きんちょう)の出身なのである。
(「はじめに」より)
【目次】
第1章 沖縄移民の父――當山久三
沖縄教育界の反逆児/田中正造と運命の出会い/金武移民軍団の形成/ハワイ上陸/沖縄に移民ブーム到来/日米紳士協定による移民制限/當山死す/不滅の金武町人魂
第2章 アジアとの交流に貢献した沖縄移民二世――トーマス・H・イゲ(伊芸平八郎/経済学博士)
英雄の名を冠した沖縄移民二世/金武小学校で過ごした一年間/真珠湾攻撃のニュース/米国民が驚嘆した日系人部隊の奮戦――第100歩兵大隊とMIS部隊/琉球大学卒業式での歴史的名スピーチ/新興アジアのために/ハワイ大学でアジア研究/英雄ダニエル・イノウエとの邂逅/靖国神社遊就館へ
第3章 沖縄返還交渉のキーマン――松岡政保(琉球政府第四代主席)
米国大統領に沖縄政策を提言した金武ヤンバラー/単身ハワイへ/李承晩設立の学校へ入学/工科大学で電気工学修士を取得/シカゴで暴漢三人と格闘/終戦直後の混乱/米軍政の開始/第四代琉球政府行政府主席に就任/日本政府と石油業界にケンカを売る/沖縄祖国復帰のキーマンとして/佐藤栄作総理の沖縄訪問/ジョンソン米大統領と会見/沖縄、日本復帰へ
【著者プロフィール】
[著者]惠 隆之介(めぐみ・りゅうのすけ)
作家、シンクタンク「沖縄・尖閣を守る実行委員会」代表
昭和29(1954)年沖縄コザ市生まれ。昭和53年防衛大学校管理学専攻コース卒業。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。昭和57年退官。その後、琉球銀行勤務。平成11(1999)年退職。以降、沖縄をベースに安全保障問題を主とするジャーナリズム活動に専念。積極的な執筆、講演等を展開している。
著書に『敵兵を救助せよ! 』(草思社)、『新・沖縄ノート 沖縄よ、甘えるな! 』(WAC)、『海の武士道DVD BOOK』(育鵬社)など多数。『昭和天皇の艦長』(産経新聞出版)は昭和天皇天覧。
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2019/8/2
- ISBN-104594082645
- ISBN-13978-4594082642
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2019/8/2)
- 発売日 : 2019/8/2
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 237ページ
- ISBN-10 : 4594082645
- ISBN-13 : 978-4594082642
- Amazon 売れ筋ランキング: - 400,208位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 47位九州・沖縄の日本史
- - 2,844位外交・国際関係 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月2日に日本でレビュー済み
2019年8月14日に日本でレビュー済み
3名の活躍を通して、明治の廃藩置県時代の沖縄、貧困の沖縄、戦争の時代と日系米国移民の活躍、排日移民法、米国施政権下の沖縄、祖国復帰前後の沖縄が理解できる書籍です。
沖縄では何故か、経済、産業、教育などがうまくいかなかった事実が明らかにされ、海外経験を通した広い視野の人間性を持った主人公3名の活躍が詳細に述べられています。問題の根本は、現在の沖縄にも通じるものを感じました。
現状打破のためにも、参考になる一冊です!
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