今から40年以上前、1960年代から1970年代にかけ、第二次世界大戦を描いた戦争映画が多数作られた。トラトラトラ、ミッドウェー、英国の戦い、史上最大の戦い、山本薩夫監督の戦争と人間など。このヨーロッパの解放もそのうちの一つである。
1943年9月のクルスク大戦車戦でドイツの大戦車部隊が壊滅し、ドイツ軍は、前線に戦車が通れない強固な防衛線を築いた。ヨーロッパの解放第三部、大包囲撃滅戦は1944年春のテヘラン会談から始まる。その会談でアメリカとイギリスはノルマンディーで第二戦線を開くことをスターリンに通告する。スターリンは、それまでに、ドイツ軍に対する攻撃の準備を整えると約束する。
ソ連軍のジューコフ元帥は、ドイツ軍の防衛線の不完全な白ロシアの沼地に材木を敷いて戦車を通す事を考える。
作戦の3日前。白ロシアのパルチザンは、ドイツ軍前線背後の、ドイツ軍の前線に物資や弾薬を補給する、鉄道、道路、橋梁などを一斉に爆破する。そして、作戦が開始されると、ソ連軍は沼地に材木を敷いて、戦車を通し、ドイツ軍の防衛線を突破する事に成功する。ドイツ軍の前線背後に回ったソ連の戦車部隊と兵士たちは、ドイツ軍の前線のドイツ兵を完全包囲し撃滅する。
東部戦線で総崩れになったドイツ軍。1日に数十キロの速度でヨーロッパに侵攻するソ連の機械化部隊。ドイツ軍の一部将官はヒットラーを暗殺し、アメリカ、イギリスと和睦することを画策。ヒットラー暗殺事件が起きる。
この映画は、戦後から25年の1970年に、ソ連の国策映画として制作。1970年代、世界最大の戦力を誇った、ソ連陸海空軍の全面的な協力のもと、3万人の兵士、一万台の戦車、一千機の航空機を動員して戦闘シーンを制作した。もう二度と、このように映画が作られる事はないだろう。国策映画であるから、ソ連にとって都合のわるい部分は描いていないが、まずは一見の価値がある戦争映画だと思う。