伊福部昭氏が作曲した東宝映画作品「銀嶺の果て」(1947年)から「お吟さま」(1978年)までのメインタイトル曲や代表曲が含まれたCD2枚組です。それ以降の「ゴジラVSキングギドラ」等のサントラは含まれておりません。
しかし全55曲のボリュームと24ページ白黒解説書で税別3689円は満足です。いつもながら高島幹雄氏の手堅い構成。マニアが困らないようにMナンバー付の親切さ。解説書巻末には伊福部昭氏が関わった東宝映画作品リストも。
本商品のように全集ものではないダイジェストは入門編的商品と思われがちですが、古い作品も多いのでここで収録されている楽曲が聴ける東宝映画全てを完観するのはよほどのマニアでないと難しいかも知れませんので、私は単純にありがたいです。特に東宝がゴジラ含む特撮作品のマーチャンダイズにあまり熱心でないように思われますので。
思わぬ曲が思わぬ別作品で使われていることを知って嬉しくなるのもこの手の商品の嬉しいところ。「銀嶺の果て」のメインテーマが「空の大怪獣ラドン」追撃のテーマだったり、「忠臣蔵」討入の音楽が「ゴジラ」につながるものだったり。
個人的には、有名なタイトル曲を除き上記「ラドン」追撃のテーマ(M15)、「地球防衛軍」マーカライトファープ(M17)、「宇宙大戦争」マーチ(M32)などが演奏の荒さや音質のイマイチさを凌駕する素晴らしさだと思います。
1997年発売の商品ですので中々入手し難いかも知れませんので、気が付いたときには買っておいたほうがいいかも。