昨年11月に「くろださんのいるところ」という会に出席いたしました。10年前に亡くなった音楽評論家黒田恭一さんを忍ぶ音楽会でした。その中で彼の著書「音楽への礼状」に触れた人がいて、帰宅して10年前の本を引っ張り出して読んでいると、親しい友人が訪ねて来るといつも最後にウーゴ・ディアスのCDを嬉しそうに聴かせて、時々は涙していた、という文章に出会いました。その批評も素晴らしく、私も聴きたくなってこのCDを買いました。
私が抱いていたハーモニカのイメージを遥かに超えた超絶な演奏で、バンドネオンかと思えるほどの幅広い豊かな表現の名演奏でした。いままでこのようなハーモニカの演奏を聞いたことがありません。
アルゼンチン・フォルクローレの真髄が胸に滲みます。