このWORKSⅢは久石さんの今の音楽を知るにはベストではないかと思います。2「Merry-go-round」は10分を超える曲で、ワルツ曲というよりも壮大な一つの集大成とも言える大曲になっています。元の「人生のメリーゴーランド」とは、別曲と考えていいと思います。DEADはミニマル音楽を久石流に解釈・アレンジし直した、すばらしい組曲で幾何学的な感じがして、いつもの久石さんのノスタルジックな音楽とはまた別で、音楽の境地というものが窺えます。7~11「THE GENERAL」は、このCDの中では個人的に好きです。カンヌ映画祭の際、久石さんが指揮をしたこの曲は映像と音の競演としては、素晴らしいです。音楽が極端に目立つこともなく、ワルツが厳かな雰囲気を強く与えています。1「Oriental Wind」は、アレンジが前回とあまり変わってはいなく、新鮮味はなかったが、オーケストラ色の強い曲となってパワーアップしてます。
久石音楽を知るには、充実した内容だと思います。CM音楽・映画音楽・オリジナル音楽をオーケストラと競演した力作だと思います。ただ、好き嫌いはあるかもしれませんね。でも、聴きごたえはかなりありました。久石さんの編曲の上手さも分かるのではないでしょうか。僕は音楽はあまり詳しくないですが、久石さんの音楽に対する想い入れがすごく伝わってきました。