久しぶりに三木助を聞いた 現代のCD/MDに時代になる前、レコードの時代にプレーヤーで聞いていたとき以来なのだ 三木助と言えば「芝浜」だ いまで言えば「持ってる男」が酒で身を持ち崩しかけている そこをしっかりものの女房の機転で人生を立て直す「カムバック」もののお話です
「ぼてふり」の勝っつぁん、商いを忘れ酒食に溺れている 釜の蓋が開かなくなるほど生活が逼迫してくるのを感じた妻は、どうしても仕事をしてもらいたい 前日約束したからと亭主を無理に起こして、いやいや商売に出かけさせた しかし時間を一時(いっとき)間違えてしまう
怒って帰宅してしまいたかった勝っつぁんだが、いったん帰って女房を怒鳴ってまた出てくるのも馬鹿馬鹿しいと、芝の浜で顔を洗って、たばこを一服 そこで波に洗われている汚い皮の財布を発見・・・
その日と翌日のふたりの息遣いまでが伝わってきそうな三木助の語り口 そして3年後の大晦日の情景 たたみかけていく落ちまでの流れ
まだ体調も万全だったころの三木助落語の十八番「芝浜」 是非、じっくりと聴いていただきたいものです
噺の中に紹介される粋な句を紹介します「あけぼのや 白魚白きこと 一寸(いっすん)」
初夏の潮の香を感じられる一話です