内容、評価については、cinemanさんに全面的に賛成です。声高に反戦を訴える映画ではなく、淡々と、冷静に映像を重ねていく構成になっています。
元米兵の告白にしても、いろいろな立場の人にインタビューをしていますし、戦死した兵士の家族にも話を聞いています。ベトナムでの取材映像でもっともショッキングだと感じたのは、残酷なシーンではなく、空から見た爆撃の映像です。米兵がライターで家を焼いたり、コメを捨てたりするのを、歯を食いしばって見つめている農民たち、連行される少年や老人。父親(たぶん南ベトナム軍兵士)の葬儀で泣きじゃくっていた少年の声がいつまでも耳に残りました。この苦しみは直視しなければならないです。それから、あの戦争は間違いであったというメッセージもきちんと受けとめなければならないでしょう。海外派兵が招いた現実です。2015年のいまだからこそ、見てほしい映画だと思いました。